【Q】エンレスト (サクビトリルバルサルタン) の開始用量は?

【A】高血圧に対して使用する場合、通常用量は200mg分1 (1回200mg 1日1回) であるが、開始用量は設定されていない。エンレスト錠200mg内にはバルサルタン102.8mgが含有されており、開始前の降圧薬の用量を考慮した開始用量が必要である。

最大用量は1回400mgとなる。

 一方で、慢性心不全を合併する高血圧症患者では、原則として慢性心不全の用法及び用量に従う必要があり、通常100mg分2 (1回50mg 1日2回)が開始用量となる。

高血圧症
通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は1回400mgを1日1回とする。

本剤はサクビトリル及びバルサルタンに解離して作用する薬剤であるため、本邦のバルサルタンの承認用法及び用量での降圧効果、本剤の降圧効果を理解した上で、患者の状態、他の降圧薬による治療状況等を考慮し、本剤適用の可否を慎重に判断するとともに、既存治療の有無によらず1回100mgを1日1回からの開始も考慮すること。

慢性心不全
慢性心不全を合併する高血圧症患者では、原則として慢性心不全の用法及び用量に従うこととするが、慢性心不全の発症に先んじて高血圧症の治療目的で本剤を使用している場合等は、患者の状態に応じて適切に用法及び用量を選択すること

通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する。1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する。なお、忍容性に応じて適宜減量する

【Q】ピコスルファートナトリウム内用液とアジャストAコーワ錠の換算は?

【A】アジャストAコーワ錠の成分はセンナエキスであるため、ピコスルファートと成分が異なり、正確な換算はできない。

ピコスルファートナトリウム内用液とピコスルファート錠の換算は以下となる。

[換算] ピコスルファートナトリウム内用液 5滴 = ピコスルファート錠2.5mg 1錠

通常量は

  • ピコスルファート錠2.5mg は通常1日1回2~3錠
  • アジャストAコーワ錠40mgは通常1日1回2錠

である、単純に通常量換算すると

アジャストAコーワ40mg :  ピコスルファート錠2.5mg. = 1 : 1〜1.5

となる。

そのため「ピコスルファート液5〜10滴 = アジャストAコーワ錠40mg 1錠」

と考えられる。目安であり、便通の状況によって適宜変更する必要がある。

【Q】保健薬局の妥結率の報告は「妥結率根拠の資料」が必要か?

妥結率の根拠となる資料は「同一グループ内の保険薬局の処方箋受付回数の合計が1月に3万5千回を超えると判断されるグループに属する保険薬局」のみ必要であり、それ以外の薬局は不要である。
「妥結率等に係る報告書」のみの提出でよい。

実務上では、各医薬品卸から提出される「価格妥結など確認書」の薬価総額を全て足し合わせて、厚生局指定の妥結率等に係る報告書に数値を記載すればよい。

保険薬局
妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況について、様式85により、毎年10月1日から11月末日までに、同年4月1日から9月30日までの期間における実績を報告してください。
・妥結率が5割以下の場合、又は期限までに当該報告をしていない場合は、翌年4月1日から翌々年3月末日の間、調剤基本料を所定点数の100分の50に相当する点数により算定することとなります。
・報告の際は、同一グループ内の保険薬局の処方箋受付回数の合計が1月に3万5千回を超えると判断されるグループに属する保険薬局のみ、保険薬局と卸売販売業者で取引価格の決定に係る契約書の写し等妥結率の根拠となる資料を添付してください。
(東海北陸厚生局)

【Q】フロリードゲル経口用2%の入力方法は?(薬局)

「フロリードゲル経口用2%」は、内用薬である。

そのため、薬局のレセプトコンピューターには外用薬ではなく、内用薬として入力する必要がある。

例 : フロリードゲル経口用2%  10g 分4 (毎食後および就寝前)

保険請求の際は内用薬として請求を行う。

用法及び用量〈口腔カンジダ症〉
通常、成人にはミコナゾールとして1日200〜400mg (ミコナゾールゲル10〜20g) を4回 (毎食後および就寝前) に分け、 口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。

〈食道カンジダ症〉
通常、成人にはミコナゾールとして1日200〜400mg (ミコナゾールゲル10〜20g) を4回 (毎食後および就寝前) に分け、 口腔内に含んだ後、少量ずつ嚥下する。
(添付文書 : フロリードゲル経口用2%)

【Q】ツイミーグとは?簡潔なまとめ

  • 適用 : 2型糖尿病
  • 1回1000mg 1日2回 (朝夕) 食事によらず服薬可能
  • 規格500mgのみ
  • 成分 : イメグリミン塩酸塩
  • 錠剤が大きい(メトホルミン500mg程度)
  • メトホルミンと作用機序の一部が共通している
  • メトホルミンと比較して、乳酸アシドーシスのリスクが少ないと考えられる
  • 低血糖リスクは他の薬剤と比較して低い
  • 新しいTetrahydrotriazine構造を有する
  • グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用 (糖新生抑制・糖取り込み能改善)
  • NAMPT(NAD合成酵素)とミトコンドリアへの作用を介する
  • ミトコンドリアを介した各種作用(詳細は不明)により、インスリン分泌(細胞内Ca増加、β細胞保護)+糖代謝改善(糖取り込み能改善、糖新生抑制)
  • 他の血糖効果薬との併用は可能
  • 主な副作用 : 悪心、下痢、便秘などの消化器症状
  • 1包化可能((3ヶ月安定)、粉砕可能(3ヶ月安定)

まとめ
2型糖尿病に使用される。錠剤が大きい。成分と薬効はまったくの新規であるが、メトホルミンとやや似ている部分がある。メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスクが低い。

【Q】オルメサルタン錠とメトホルミン錠を1包化するとメトホルミンが変色する理由は?

【A】「オルメサルタンのDMDO基から生成されるジアセチル(揮発成分)」「メトホルミンのグアニジノ基」が高温下かつ水分で反応し、黄赤色や黄赤色などの縮合体を生成することが考えられる。

本剤とオルメサルタン メドキソミル等のDMDO基を有する製剤との一包化にともなう変色の明確な発生機序は不明であるが、メトホルミン製剤の変色は、DMDO 基から生成すると考え られる「ジアセチル(揮発成分)」とメトホルミン製剤の「グアニジノ基」が反応する配合変化であ ることが推察されている。さらに、加速条件(40°C 75% RH)下でのメトホルミンの「グアニジ ノ基」と DMDO 基から生成される「ジアセチル」の反応は、「グアニジノ基」と「ジアセチル」のみ では進行しないため、高温下で適当な水分に加えて反応するための「場」の存在が必要であると 推察している報告がある。
嶋田 光男 他:診療と新薬 (44), 875, 2007
(イニシンク配合錠 インタビューフォーム)

【Q】ツイミーグ錠 (イメグリミン) は1包化可能か ?

【A】以下の理由から、ツイミーグ錠500mgは1包化可能と考えられる。

無包装状態の安定性
・50°C  (密栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・75%RH (開栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・1000lx の合計120万lx・hrの条件で変化なし
(ツイミーグ錠  インタビューフォーム)

  • ツイミーグ錠 (イメグリミン) とオルメサルタンOD錠との1包化での安定性も問題なし。
  • メトホルミン錠とオルメテックOD錠を1包化することにより、メトホルミン錠が黄赤色や変色に変色する。

【Q】低用量規格のリクシアナ(エドキサバン)15mgの対象者は?

【A】リクシアナ(エドキサバン)の低用量規格であるリクシアナ15mgは「高齢心房細動」、「出血性素因」、「別規格や同効薬は出血リスク」がある患者に対して使用できる。

1. 高齢心房細動 (80歳以上を目安)

2. 出血性素因が一つ以上有する
・頭蓋内、眼内、消化管等重要器官での出血の既往
・体重45kg以下
・Ccrが15以上30未満
・NSAIDsの常用
・抗血小板剤の使用

3. 通常容量または他の経口抗凝固剤の承認用量では出血リスクのため投与できない。

以上の1、2、3を満たし、治療上の有益性と出血リスクを考慮した上でリクシアナ15mgの使用を考慮する。

【Q】パルスオキシメータは薬局で販売可能か?

【A】パルスオキシメータを販売するには「高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可」が必要である。

パルスオキシメータはクラスIIに分類される「管理医療機器」に分類されているが、 「特定保守管理医療機器」となっている。「管理医療機器」であっても「特定保守管理医療機器」に指定されている場合、販売には「高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可」が必要となる。

特定保守管理医療機器とは
医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行わなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

・特定保守管理医療機器はクラス分類には関わらないため、クラスI〜Ⅳまで該当するものがある。

・通常は管理医療機器であれば、薬局で販売可能である。(薬局は特段の申し出をしていない限り届出をしているとみなされるため)

(参考 : 令和3年度医療機器販売業等の営業所管理者 医療機器修理業の責任技術者 継続研修テキスト 監修 公益社団法人 日本薬剤師会)

【Q】ツイミーグ錠の処方日数の投与制限は?

【A】ツイミーグ錠500mgは新医薬品の処方日数制限により2022年8月末日までは1回14日分が限度である。2022年9月1日から長期投与可能である。薬価基準収載年月は2021年8月12日である。

保険給付上の注意
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、令和4年8月末日まで、投薬は1回14日分を限度とされている。(ツイミーグ錠500mg 添付文書)

効能又は効果
2型糖尿病

用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。