「SAGASU-DI」は薬局薬剤師に向けたDI情報サイトとして有用

・近年、薬剤師に求められる役割が拡大しており、薬剤師は医薬品情報収集を駆使して業務を行うことが増えてきました。しかし、薬局薬剤師は調剤や服薬指導、在宅医療など業務が多岐にわたっており、医薬品情報の収集する時間を多く捻出することができません。

・本研究では、医薬品情報提供サイト(SAGASU-DI)の有用性を評価することを目的としました。SAGASU-DIの記事は、薬剤師への問い合わせをもとに作成されました。2021年5月から7月にかけて、Google Analyticsを用いてSAGASU-DIの利用情報を分析しました。また、SAGASU-DIの有用性を評価するため、、閲覧者に対してポップアップアンケートを実施しました。

・結果は、当websiteの利用者数は25,447人、閲覧数は33,000ページ、閲覧時間は平均で29秒でした。デバイスはデスクトップ(51.9%)とモバイル(44.3%)が主に使用されていました。閲覧者のうち40.2%は地域薬剤師でした。ポップアップ型アンケートの結果、23.2%の方が当websiteで提供する情報に満足しており、1.5%の方が満足していないことがわかりました。65.1%の閲覧者がアンケートを拒否していますが、満足度が高い閲覧者は94.1%と大部分をしめていました。

・SAGASU-DIは、主に地域薬剤師を対象とした医薬品情報サービスに有用なwebsiteであることが示唆されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36011198/

2023年6月に薬価収載予定の後発品 (新規成分)

【内容】2023年6月に追補収載予定の後発品 (ジェネリック)の一覧を以下に記載する。

2023年6月 後発品 発売予定一覧 (内服剤・注射剤・外用剤) 2023年11月10日 更新

経口剤
・アジルバ錠 (アジルサルタン)‥AG→武田テバファーマ , 先発品にはないOD錠も発売される. 2023年6月16日発売
・セララ錠 (エプレレノン) キョーリンリメディオの1社のみ
・レブラミドカプセル(レナリドミド) AG→ブリストル・マイヤーズ スクイブ
・タルセバ錠(エルロチニブ) ‥日本化薬の1社のみ
・イムセラカプセル・ジレニアカプセル(フィンゴリモド)
・ノベルジン錠錠(酢酸亜鉛水和物)‥沢井製薬の1社のみ, 低亜鉛血症の適用はなし。ウィルソン病の適用のみ有。2023年8月4日発売
・アトーゼット配合錠LD, HD (エゼチミブアトルバスタチン) ‥名称はエゼアト配合錠 , 日本ジェネリックの1社のみ 2023年9月1日発売

外用剤
・タプロス点眼液 (タフルプロスト)東亜薬品の1社のみ「NIT」 2023年7月18日発売
タプコム配合点眼液 (タフルプロスト・チモロール)‥ 販売名 タフチモ配合点眼液 東亜薬品の1社のみ「NIT」2023年9月1日発売
ムコスタ点眼液 (レバミピド)参天製薬の1社のみ 2023年9月1日発売
・ロゼックスゲル(メトロニダゾール)丸石製薬の1社のみ, 適用は「がん性皮膚潰瘍臭の改善」のみ
・ルリコン液(ルリコナゾール)岩城製薬の1社のみ 2023年12月発売→2024年12月発売に延期
・アラミスト点鼻液 (フルチカゾンフランカルボン酸エステル) AG→武田テバファーマ 2023年6月16日発売

注射剤
・オノアクト点滴静注用 (ランジオロール塩酸塩)‥富士製薬の1社のみ
・フェソロデックス筋注(フルベストラント)‥大原薬品の1社のみ

グラアルファ配合点眼液は投与日数制限はあるか?

グラアルファ配合点眼液は既存の成分の配合液であるため、新薬の投与日数制限はない(令和4年11月15日官報 号外代243号)。発売初日から長期投与は可能である。

2022年12月6日にグラアルファ配合点眼液が発売された。(薬価基準収載日は2022年11月16日)。緑内障治療薬として使用されるグラナテック点眼液0.4%(Rho キナーゼ阻害薬)とアイファガン点眼液0.1%(アドレナリンα2受容体)が配合された薬剤である。この2種類の作用機序が含有された配合点眼剤ははまだ発売されていない。

 

リバゼブ配合錠LD•HDの日数投与制限は?

リバゼブ配合錠は既存成分であるため、新薬の投与日数制限はない(令和4年11月15日官報 号外代243号)

発売開始から長期処方は可能となる。

リバゼブ配合錠LD•HDの発売日は2022年12月6日である(薬価基準収載日は2022年11月16日)。リバゼブ配合錠はスタチン系のピタバスタチンと小腸コレステロールトランスポーター阻害剤のエゼチミブが配合されている。同効薬としてアトーゼット配合錠LD・HDやロスーゼット配合錠LD・HDなどがある。

ゾコーバ錠の特徴は?簡潔に

ゾコーバ錠125mg
・成分 : エンシトレルビル フマル酸 152.3mg
・適用 : SARS-CoV-2 による感染症
・製剤学的特性 : 素錠
・作用機序 : SARS-CoV-2 遺伝子にコードされるポリタンパク質のプロセシング及びウイルス複製に必須である 3C-like(3CL)プロテアーゼを阻害 (パキロビッドパックと同様の機序)
・40°C、75%RH、暗所、ガラス瓶•開放 2ヶ月で規格内、光にも安定 1包化可能
・直径 約9.0mm 厚さ 約4.9mm
・包装28 錠[14 錠(PTP)×2]
・12 歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして 1 日目は375mg を、2 日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する。 1日目から5日目で7錠
・有効性は症状発現から3日目までの投与する
・食事の影響はなし (食事によってTmaxは遅延するが、薬物動態の影響はなし)
・CYP3A 阻害作用、P-gp、BCRP、 OATP1B1 及び OATP1B3 阻害作用のため、併用禁忌薬は多数
・重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は検討されていない。
腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施しておらず、本剤の薬物動態や副作用発現状況への影響が不明

エクセラーぜ配合錠 販売中止

エクセラーゼ配合錠が販売中止となる。薬価が5.7円と低く、施設への設備投資や安定供給が困難になることが理由である。経過措置期間は2024年3月31日までとなる。

代替薬としてはベリチーム配合顆粒、フェンラーゼ配合カプセル、ケイラーぜSA配合顆粒、マックターゼ配合錠、ボルトミー配合錠などが挙げられる。

リフィル処方箋の注意点は?

リフィル処方箋の注意点 
・投薬量に限度が定められている医薬品(新薬や向精神薬、麻薬)や湿布薬(63枚の制限あり)はリフィル処方は不可であり、処方箋を別に分けて発行する。薬剤毎にリフィル回数が異なる場合は別の処方箋とすh
・2回目以降、次回の調剤予定日の前後7日以内。有効期間を過ぎた場合は医療機関への受診勧奨。
・余白の裏面に記載→保険薬局の名称と保険薬剤師の氏名
・他の薬局を利用する場合は他の薬局へ情報共有する
・処方箋原本を返却する。総使用回数に達した場合の処方箋原本は薬局で保管。
・総使用回数に満たない場合はリフィル処方箋の写しを調剤録とともに保管 (3年間保管)
・外用薬のリフィル処方の場合も投与日数の記載が必要 (例 ヒアルロン酸Na点眼液0.1% 6瓶 1日6回 両目に点眼 30日分

(参考 : 日本保険薬局協会 リフィル処方箋の手引き)

2022年12月に薬価収載予定の後発品

202212月に薬価収載予定の後発品 

エソメプラゾールカプセル10mg, 20mg (ネキシウム)‥AG→ニプロ
「1歳以上の幼児および小児における胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症」の適用はない。沢井製薬は延期。
エソメプラゾール懸濁用顆粒分包(ネキシウム) ‥沢井製薬のみの販売 。沢井製薬は延期。
エスシタロプラム錠10mg, 20mg (レクサプロ)‥東和薬品がOD錠 適用は同じ。先発品は普通錠のみ。
イバンドロン酸静注1mgシリンジ (ボンビバ)‥適用同じ
ルリコナゾール軟膏/クリーム (ルリコン)‥岩城製薬のみ「イワキ」
ダプトマイシン静注用 (キュビシン)   「小児(1歳以上)における敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」の用法及び用量はない

トルバプタンOD錠(サムスカ錠の後発品)は「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」のみの適用でしたが、2022年9月から「心不全」にも適用が通るようです。
ただし、「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」、「腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制」には引き続き、適用がないため注意が必要です。
・ロゼレム錠8mgのAGであるラメルテオン錠8mg「武田テバ」が、2022年9月13日に発売予定です。同成分の後発品は、他社からも2022年12月に発売予定です。

2022年12月に薬価収載されるAG
・エソメプラゾールカプセル「ニプロ」(ネキシウム)
・トルバブタンOD錠15mg「オーツカ」(サムスカ)
・イグラチモド錠「あゆみ」(ケアラム)
・アトルバスタチン錠「VTRS」(リピトール)

ラゲブリオが国購入品から一般流通品になって変わった点

 2022年9月16日からラゲブリオが国購入品から一般流通品になった。変更点のまとめを以下に記載する。

  • いわゆる「チェックリスト」が不要となった
  • MSDのラゲブリオ登録センターへの使用実績の登録は不要→製薬会社から在庫などに関する定期的な調査がある
  • 一般流通には外箱やボトルに黒いラインが入った
  • 9月16日以降、国購入分であっても患者に投与することができる
  • 国購入分→保険請求はできない
  • 国購入分は薬局間譲渡は不可であるが、一般流通品は可能

エバシェルド筋注セットとは?簡潔に

  • 新型コロナ感染症発症抑制に対する効果
  • 新型コロナ感染症患者の同居家族等の濃厚接触者には使用不可
  • 成人、小児 (12歳以上かつ体重40kg以上のみ)に適用
  • 発症8日以降の有効性は不明
  • 一般流通はなく、厚生省が保有し、各医療機関に配分する。
  • 成分 : チキサゲビマブ150mg/バイアル  シルガビマブ150mg/バイアル の2バイアルに分かれている。※両者は混合させないようにする。
  • 別々のシリンジに抜き取った両者を左右の臀部の別々の部位に打つ(チキサゲビマブは左臀部、シルガビマブは右臀部など)。重要な血管・神経が少ない中臀筋が推奨される
  • 臀部に打つ理由は投与液量が11.5mLと比較的多いため
  • シリンジ抜き取り後は、2~8℃又は室温(25℃まで)で保存し、4時間以内に使用
  • 新型コロナ感染症→「チキサゲビマブ (2バイアル) シルガビマブ(2バイアル) 使用」 =2キット
  • 発症抑制→「チキサゲビマブ (1バイアル) シルガビマブ (1バイアル) 使用」=1キット。ただし、SARS-CoV-2変異株の流行状況等は各2バイアルずつの使用も可能。
  • 作用機序 : SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン内の2つの異なるエピトープに各々結合することで、 SARS-CoV-2を中和し、SARS-CoV-2感染を阻害