従来は日本薬学会が転用の妥当性を考え医薬品リストをまとめていたが、2016年8月からは、企業や一般消費者からも医療用医薬品からOTC医薬品への転用の提案を受け付けることになった。今回候補としてあがった16成分を以下の表にまとめた。
No |
成分名 |
要望する効能・効果 |
1 |
ヒアルロン酸ナトリウム |
[ドライアイ、角膜保護
目の次の症状の緩和:乾き(涙液補助)、異物感(コロコロ・チクチクする感じ)、ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズを装着しているときの異物感(張り付き感、コロコロ・チクチクする感じ)、疲れ、かすみ、なみだ目、まぶしさ、目やに、充血 |
2 |
レバミピド |
胃潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 |
3 |
レボノルゲストレル |
緊急避妊 |
4 |
リザトリプタン安息香酸塩 |
片頭痛 |
5 |
スマトリプタンコハク酸塩 |
片頭痛 |
6 |
エレトリプタン臭化水素酸塩 |
片頭痛 |
7 |
ナラトリプタン塩酸塩 |
片頭痛 |
8 |
ゾルミトリプタン |
片頭痛 |
9 |
クリンダマイシンリン酸エステル |
にきび |
10 |
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル |
湿疹 |
11 |
オメプラゾール |
胸やけ(胃酸の逆流)、胃痛、もたれ、むかつき |
12 |
ランソプラゾール |
繰り返しおこる胸やけ(食道への胃酸の逆流)、呑酸(喉や口の中まで胃酸がこみ上げ、酸味や苦い感じがすること)、胃もたれ、むかつき、胃の痛み |
13 |
メロキシカム |
関節痛、腰痛、肩こり痛 |
14 |
フルチカゾンプロピオン酸エステル |
花粉による季節性アレルギーの次のような症状の緩和:鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ |
15 |
ヨウ素・ポリビニルアルコール |
眼の殺菌・消毒・洗浄 |
16 |
ラベプラゾール |
胸やけ、胃痛、げっぷ、胃部不快感、はきけ・むかつき、もたれ、のどのつかえ、苦い水(胃酸)が上がってくる |
【コメント】ヒアルロン酸ナトリウムとレバミピドは妥当だと思う。なぜ今までなかったのか不思議なくらい。
さらにPPIのOTCへの移行は安全性面から妥当であると考えられる。ただし長期使用や相互作用には注意が必要である。
医療用の片頭痛薬が勢ぞろいしている。薬価がかなり高いのでそれがOTCにどう反映させるのかが気になるところである。