薬剤師国家試験

 

【薬剤師国家試験 実務 第104回 問264−267】

問264−267
58歳男性。糖尿病の診断を受け近医で薬物療法を継続していたが、定期的に受診せず、アドヒアランスも良好ではなかった。今回、吐き気、食欲不振、呼吸 困難を訴え受診したところ、重症の尿毒症のため入院となった。血液検査の結果は以下のとおりであった。

検査値: 体表面積未補正eGFR 14.6mL/min、HbA1c 7.7%(NGSP値)、  ALT 14IU/L、AST 22IU/L

お薬手帳を確認したところ、以下の薬剤が処方されていた。尿毒症の治療を開始するとともに、退院に向けて本剤を中止し、代替薬を検討することになった。

(処方)
メトホルミン塩酸塩錠500mg 1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 14日分

問264(薬剤)
カンファレンスにおいて薬剤師は、体表面積未補正eGFRが異なる2つの群に対し、メトホルミン塩酸塩錠500mgを経口単回投与した時の腎クリアランス及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)をまとめた表を示した。表に基づいた説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、いずれの群も、メトホルミンのバイオ アベイラビリティは60%とし、血漿タンパク結合は無視できるものとする。

  体表面積未補正

eGFR(mL/min)

メトホルミン 腎クリアランス (mL/min) メトホルミンAUC(mg・min/L)
腎機能正常群 >60 475 600
腎機能低下群 10~30 145 1800

 

  1. メトホルミンは、主に糸球体ろ過によって腎臓から排泄されます。
  2. この患者におけるメトホルミンの全身クリアランスは、約170mL/minと予想されます。
  3. この患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常者の約1/3と予想されます。
  4. 処方どおりに服用し続けた場合、この患者におけるメトホルミンの平均血中濃度は腎機能正常者の約3倍になると予想されます。
  5. この患者が処方どおりに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は約10ng/mLと予想されます。

 

問265(薬理)

この患者がメトホルミンを処方どおりに服用し続けた場合、起こり得る副作用とその機序の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。

  副作用 機序
1 低血糖 a−グルコシダーゼの阻害
2 浮腫 腎でのNa+ 再吸収の促進
3 脱水 腎のNa+/グルコース共輸送体の阻害
4 低血糖 ジペプチジルペプチダーゼ−₄(DPP−₄)の阻害
5 乳酸アシドーシス AMP活性化キナーゼの活性化による糖新生の抑制

問266(実務)

代替薬を提案するにあたり、医薬品インタビューフォームから得られた情報を参考に、薬剤師は候補薬のリストを作成した。リストの内容に基づいて提案する薬剤 として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  主な代謝臓器 又は排泄部位 未変化体の

 尿中排泄率

代謝物も含めた 尿中排泄率 活性代謝物の 有無
ピオグリタゾン 肝臓 記載なし 約30%    有
ナテグリニド 肝臓 約5% 約40%    有
グリメピリド 肝臓 記載なし 約58%    有
シタグリプチン 尿中 約79% 約87%    有
リナグリプチン 糞中 約0.6% 記載なし    無
  1. ピオグリタゾン錠
  2. ナテグリニド錠
  3. グリメピリド錠
  4. シタグリプチン錠
  5. リナグリプチン錠

問267(実務)

前問で選んだ薬剤について、薬剤師が患者に行う説明として最も適切なのはどれ か。1つ選べ。

  1. 尿に糖を出す薬です。
  2. 消化管からの糖の吸収を抑える薬です。
  3. インスリンの分解を抑える薬です。
  4. 肝臓で糖ができるのを抑える薬です。
  5. 血糖値に応じてインスリンの分泌を促進する薬です。

引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問264

1.× 腎機能障害時の腎クリアランスは475mL/minであり、糸球体ろ過クリアランス(100~130mL/min)よりも大きいため、尿細管分泌により排泄されています。

2.〇 本問の患者さんの全身クリアランスをCLtot´とおくと、CLtot´=(F×Dpo´)/(AUCpo’)=(0.6×500mg)/(1800mg・min/L)=0.166・・・=167mL/min

ただし、Fはメトホルミンのバイオアベイラビリティ、Dpo´は本問の患者さんの経口投与量、AUCpo’は本問の患者さんの血中濃度時間曲線下面積とします。

3.× CLtot=(F×Dpo)/(AUCpo)=(0.6×500mg)/(600mg・min/L)=500mL/minとなります。

ここで、CLtot は腎機能正常時の全身クリアランス、F はメトホルミンのバイオ アベイラビリティ、Dpo は腎機能正常時の経口投与量、AUCpoは腎機能正常時の血中濃度時間曲線下面積とします。

CLtotを用いて、CLr=CLtot×Aeより、Ae=(475mL/min)/(500mL/min)=0.95となります。

ここで、CLrは腎機能正常時の腎クリアランス、Aeは腎機能正常時の尿中排泄率とします。本問の患者さんのAeをAe’とおくと、Ae’=CLr’/CLtot’=(145mL/min)/(166.7mL/min)=0.87 よって、0.87/0.95=0.915倍となります。

4.〇 1回500mgを1日2回投与しているので、投与間隔τ=12時間となります。

よって、腎機能正常者の平均血中濃度(Css)は、Css=(F×Dpo)/(CLtot×τ)=(0.6×500mg)/(500mL/min×12h)≒0.83mg/Lとなります。

一方本患者さんの平均血中濃度(Css’)は、Css’≒ (F×Dpo)/(CLtot’×τ)=(0.6×500mg)/(166.7mL/min×12h)≒2.5mg/Lとなります。

よって、2.5mg/L÷0.83mg/L≒3.012

よって、本患者さんの平均血中濃度Css’は腎機能正常者の平均血中濃度Cssの約3倍となります。

5.× 選択肢4より、本患者さんが処方通りに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は約2.5mg/L=2.5μg/mLとなります。

 

 

問265

1.× 表に記載されているのはボグリボース(商品名:ベイスン)の機序です。

2.× 副作用で浮腫を起こす薬剤にピオグリタゾン(商品名:アクトス)があります。PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)を刺激し、TNF-αの産生抑制、アディポネクチンの産生亢進によりインスリン抵抗性を改善します。

3.× ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)などの記述です。

4.× シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)などの記述です。

5.〇 メトホルミン(商品名:メトグルコ)などの記述です。

 

問266

1.× ピオグリタゾン(商品名:アクトス)は重篤な腎機能障害のある人には禁忌です。

2.× ナテグリニド(商品名:スターシス)は重篤な腎機能障害のある人には禁忌です。

3.× グリメピリド(商品名:アマリール)は重篤な腎機能障害のある人には禁忌です。

4.× シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)は尿中排泄されるため、腎機能が低下している人には浮腫的です。

5.〇 リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)は胆汁中排泄されるためれた後糞中に排泄されるので腎機能低下している患者さんにも使用できます。

 

問267

1.× ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)などSGLT-2阻害薬の記述です。

2.× ボグリボース(商品名:ベイスン)などα-グルコシダ-ゼ阻害薬の機序です。

3.×

4.× メトホルミン(商品名:メトグルコ)などビグアニド系の機序です。

5.〇 DPP-4阻害薬の機序です。

 

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問260−263】

問260−263

58歳男性。高血圧症と脂質異常症の既往歴がある。1年前に頸動脈狭窄症を発症し、ステント留置術が施行された。今回、狭窄の状態を精査するために検査入院となった。病棟担当薬剤師が、患者に対して初回面談を行ったところ、「再発 が怖いので、お医者さんから出された薬は毎日欠かさず飲んでいます。ただ、3日前からみぞおち付近に軽い痛みを感じて、便も黒い色をしています。」との情報を得た。病棟担当薬剤師は、この状況を主治医に報告し、薬物を1種類追加することを提案した。
(入院時の持参薬の処方)
クロピドグレル錠75mg   1回1錠(1日1錠)
アスピリン腸溶錠100mg  1回1錠(1日1錠)
アムロジピン口腔内崩壊錠5mg   1回1錠(1日1錠)
ロサルタンK錠50mg  1回1錠(1日1錠)
アトルバスタチン錠10mg   1回1錠(1日1錠)

1日1回 朝食後 28日分


問260(実務)
提案すべき薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. ラベプラゾールナトリウム
  2. チクロピジン塩酸塩
  3. タンニン酸アルブミン
  4. ロキソプロフェンナトリウム水和物
  5. メピバカイン塩酸塩

問261(薬理)

前問で提案された薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。

  1. 副交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制することで、胃の蠕動運動を抑える。
  2. ADP受容体遮断により血小板凝集を促進することで、出血を抑える。
  3. シクロオキシゲナーゼ阻害により炎症反応を抑制することで、痛みを抑える。
  4. H+,K +−ATPase阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を 抑える。
  5. Na+ チャネル阻害により知覚神経伝達を抑制することで、痛みを抑える。

問262(実務)

半年経過後、胃部不快感、嘔気を自覚するようになった。半年間、薬の服用に変更はない。胃の内視鏡検査を施行したところ、早期胃がんが発見されたため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施することになった。ESDは大出血のリスクは小さいが、出血の頻度が高い処置である。主治医は患者の既往歴を考慮し、抗血栓薬は継続したいと考えている。そこで、周術期の抗血栓療法について薬剤師に相談があった。この患者の抗血栓薬の中止・継続・代替療法について適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、ESD当日は休薬することとする。

  1. クロピドグレル錠とアスピリン腸溶錠はESD前日まで継続する。
  2. クロピドグレル錠は7日前から休薬し、アスピリン腸溶錠は継続する。
  3. アスピリン腸溶錠を7日前からダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセルに変更する。
  4. クロピドグレル錠を7日前からシロスタゾール錠に変更する。
  5. クロピドグレル錠とアスピリン腸溶錠を14日前からヘパリンナトリウム持続点滴に変更する。

問263(薬理) 前問の選択肢1~5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはれか。2つ選べ。

  1. クロピドグレルの活性代謝物は、ADP P₂Y12 受容体を不可逆的に遮断する。
  2. シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼⅤを選択的に阻害する。
  3. 低用量のアスピリンは、血管内皮細胞のシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)を 阻害しにくいため、プロスタグランジンI2(PGI2)の産生は抑制されない。
  4. ヘパリンは、内因性のトロンボモジュリンによる血液凝固因子の不活性化作用を促進する。
  5. ダビガトランは、第Xa因子に結合してその活性を阻害することで、プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制する。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問260

1.〇 ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)は、H⁺,K⁺-ATPaseのSH基と結合し、プロトンポンプ(H⁺,K⁺-ATPase)の働きを阻害します。問題文より、患者さんは便も黒い色ことから上部消化管出血、アスピリン腸溶錠(商品名:バイアスピリン)の副作用である消化性潰瘍であると考えられるので、ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)が適切であると考えられます。

2.× チクロピジン(商品名:パナルジン)は血小板のADP受容体を遮断しcAMP濃度を上昇させて血小板凝集を抑制する作用を示します。

3.× タンニン酸アルブミンは、腸内でタンニン酸を遊離し、そのタンニン酸が収れん作用を示すことから止瀉作用を示します。

4.× ロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニン)は鎮痛作用を示します。副作用として消化管潰瘍があります。

5.× メピバカイン塩酸塩(商品名:カルボカイン)はアミド型の局所麻酔薬です。分子型で細胞膜を通過し細胞内でイオン型となり電位依存性ナトリウムチャネルを遮断します。血漿コリンエステラーゼによる分解を受けにくいのでアレルギー反応を起こしにくい。また、血管収縮作用もあるので、アドレナリンなどの血管収縮薬との併用は不要です。

問261

1.× ロペラミド(商品名:ロスポリア)の記述です。オピオイドμ受容体を刺激しAch遊離を抑制します。

2.× チクロピジン(商品名:パナルジン)の記述です。

3.× ロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニン)の記述です。

4.〇 ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)の記述です。

5.× メピバカイン塩酸塩(商品名:カルボカイン)の記述です。

問262

抗血小板薬や抗血栓薬は出血の危険度によって休薬期間が異なります。

今回行われる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は出血高危険度の消化器内視鏡に分類されます。

1.× 出血高危険度の消化器内視鏡におけるアスピリン腸溶錠の休薬期間はなしでも可能ですが、クロピドグレル錠は5〜7日間の休薬が必要となります。

2.〇 抗血栓薬継続を希望し内視鏡を延期できない場合や、血栓塞栓のリスクが高い場合はアスピリン腸溶錠(商品名:バイアスピリン)又はシロスタゾール(商品名:プレタール)を単独投与します。

3.× ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル(商品名:プラザキサ)は2~4日前から休薬します。

4.× アスピリン腸溶錠(商品名:バイアスピリン)を服用しているので、シロスタゾール(商品名:プレタール)を併用する必要はない。

5.× 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)においては、ヘパリンナトリウム持続点滴に変更となることはない。大手術などではパリンナトリウム持続点滴に変更されることはある。さらに、ヘパリンナトリウム持続点滴に変更するのであれば、14日前からではなく、術前3日から5日前が通常である。

問263

1.〇

2.× シロスタゾール(商品名:プレタール)はPDEⅢ(ホスホジエステラーゼⅢ)を阻害し血小板凝集抑制をします。

3.〇

4.× ヘパリンナトリウムは、ATⅢ(アンチトロンビンⅢ)と複合体を形成し、トロンビンや第Ⅹa因子活性を阻害します。

5.× ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル(商品名:プラザキサ)は、トロンビン活性部位に結合し、抗凝固作用を示します。選択肢はリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)などの記述です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問256−257】

問256−257

76歳男性。軽度の認知症、糖尿病、高血圧、うつ病のため、以下の処方薬を常用している。1年前から頻尿、残尿感及び排尿困難感があったが放置していた。風邪気味であったため、2日前に自宅の常備薬である市販の総合感冒薬を服用した。昨日の昼から尿がほとんど出なくなったため、かかりつけ薬剤師に相談に来た。

(処方)
カンデサルタン口腔内崩壊錠4mg     1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 30日分
シタグリプチンリン酸塩水和物錠50mg  1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 30日分
イミプラミン塩酸塩錠25mg   1回3錠(1日6錠) 1日2回 朝夕食後 30日分
ボグリボース錠0.2mg   1回1錠(1日3錠)1日3回 朝昼夕食直前 30日分
リバスチグミン経皮吸収型製剤18mg 1回1枚(1日1枚)上腕部に貼布 30日分

また、総合感冒薬に含まれている成分は以下のとおりである。
アセトアミノフェン
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩
ジヒドロコデインリン酸塩
dl−メチルエフェドリン塩酸塩
無水カフェイン

 

問256(実務) この患者が常用している処方薬の中で、この総合感冒薬と併用すると排尿障害が増悪する可能性の高い薬剤はどれか。1つ選べ。

  1. カンデサルタン口腔内崩壊錠
  2. シタグリプチンリン酸塩水和物錠
  3. イミプラミン塩酸塩錠
  4. ボグリボース錠
  5. リバスチグミン経皮吸収型製剤

問257(薬理)

前問で選択した薬物と総合感冒薬に含まれている1成分は同一の作用機序で、この患者の排尿障害を増悪させた。その機序として正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 膀胱括約筋のアドレナリンα₁A 受容体刺激
  2. 膀胱括約筋のアドレナリンα₁D 受容体刺激
  3. 排尿筋のアドレナリン β3 受容体刺激
  4. 下部尿道括約筋のアドレナリン β2受容体刺激
  5. 排尿筋のムスカリン性アセチルコリンM3 受容体遮断

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

 

問256

排尿障害というキーワードから抗コリン作用がある薬剤を選択すれば正解となります。

1.× カンデサルタン(商品名:ブロプレス)はアンギオテンシン受容体遮断作用によって降圧作用を示します。

2.× シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)は血中でDPP-4の活性を阻害し、GLP-1やGIPなどのインクレチンくのDPP-4による分解を抑制します。

3.〇 イミプラミン(商品名:トフラニール)は第一世代三環系抗うつ薬で、アミントランスポータを阻害しシナプス間隙のNadやセロトニンの濃度を高め、抗うつ作用を示します。ほかにH₁受容体、α₁受容体遮断作用や抗コリン作用もあります。イミプラミン(商品名:トフラニール)は三環系抗うつ薬のなかでも抗コリン作用が強く、排尿障害があらわれる可能性があります。

4.× ボグリボース(商品名:ベイスン)は、α-グルコシダーゼを(2糖類を分解する酵素)を阻害することによって単糖類の生成を抑制し腸管からの糖の吸収を抑制します。

5.× リバスチグミン(商品名:イクセロン)は中枢性のアセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し軽度及び中度のアルツハイマー病に用います。

 

問257

抗コリン作用はムスカリン性アセチルコリンM3 受容体遮断となります。

1.× α₁A受容体は前立腺に多く存在します。膀胱括約筋のアドレナリンα₁A 受容体遮断薬はタムスロシン(商品名:ハルナール)やシロドシン(商品名:シロドシン)です。

2.× α₁D受容体は膀胱括約筋に存在します。膀胱括約筋のアドレナリンα₁D受容体遮断薬はナフトピジル(商品名:フリバス)があります。

3.× ミラベグロン(商品名:ベタニス)はβ₃受容体を刺激し膀胱排尿筋を弛緩させることで尿失禁の患者さんに用います。

4.× クレンブテロール(商品名:スピロペント)は下部尿道括約筋のアドレナリン β2 受容体刺激作用によって膀胱排尿筋弛緩作用を示し、腹圧性尿失禁にもちます。

5.〇 イミプラミン(商品名:トフラニール)の記述です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問254−255】

問254−255

38歳女性。乳がん検診で腫瘤を指摘され、精査のため来院した。右乳房外側の腫瘤の針生検の結果、ER(2+)、PgR(+)、HER₂(1+)、Ki67-11%であ り、pT1bの乳がんと診断された。腫瘤径は1cmだったため、乳房温存術(リンパ節郭清なし)が実施された。患者は閉経前であることが確認されている。

問254(実務)

この患者の術後治療に使用される抗がん薬として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. タモキシフェンクエン酸塩
  2. フルベストラント
  3. アナストロゾール
  4. トラスツズマブ
  5. ドセタキセル水和物

 

問255(薬理)

前問で適切と考えられた術後治療に使用される薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に特異的に結合し、HER₂シグナル伝達阻害作用と抗体依存性細胞傷害作用を示す。
  2. アロマターゼを阻害することで、アンドロゲンからエストロゲンの生成を阻害する。
  3. 微小管と結合し、安定化させることで脱重合を阻害する。
  4. 子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。
  5. GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体に対して刺激作用を示す。

 

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問254

  1. 〇 タモキシフェン(商品名:ノルバデックス)は、エストロゲン受容体及びプロゲステロン受容体陽性の閉経前乳がんに用いられる抗エストロゲン薬です。乳がん組織のエストロゲン受容体でエストロゲン受容体と競合的に拮抗し、抗腫瘍効果を表します。
  2. × フルベストラント(商品名:フェソロデックス)はタモキシフェンと同様の抗エストロゲン薬ですが、エストロゲン作用を示さず、乳がん細胞のエストロゲン受容体を分解します。また、閉経前乳がんの患者さんに使用する場合はリュープロレリン(商品名:リュープリン)などのLH-RHアゴニスト投与下でCDK4/6阻害薬(パルボシクリブ)と併用して用います。
  3. × アナストロゾール(商品名:アリミデックス)はアロマターゼを阻害し、アンドロゲンからエストロゲンの生成を阻害します。閉経後乳がんの患者さんに用います
  4. × トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)はヒト上皮増殖因子受容体(HER2)を標的とする抗HER2ヒト化モノクローナル抗体です。HER2が過剰に発現している場合に用います。
  5. × ドセタキセル(商品名:タキソテール)は微小管タンパクの重合を促進し微小管を安定させて紡錘糸機能を障害することで、がん細胞が細胞分裂することを抑制します。

 

 

問255

  1. × トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)の記述です。
  2. × アナストロゾール(商品名:アリミデックス)の記述です。
  3. × ドセタキセル(商品名:タキソテール)の記述です。
  4. 〇 タモキシフェン(商品名:ノルバデックス)の記述です。
  5. × リュープロレリン(商品名:リュープリン)の記述です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問252−253】

問252−253

79歳女性。この3年間、心不全(NYHAⅢ度)に対して同一の薬剤で薬物治療を行ってきた。この度、体動時の息切れがひどくなり、精査加療のために入院となった。検査の結果、体液貯留と浮腫の増悪が認められた。カンファレンスで薬物治療が再検討され、新たに1つの薬剤が追加となった。検討後の処方内容は以下のとおりである。

(処方)
フロセミド錠40mg  1回2錠(1日2錠)1日1回 朝食後 7日分

スピロノラクトン錠25mg   1回2錠(1日2錠) 1日1回 朝食後 7日分

トルバプタン錠15mg  1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 7日分

ロサルタンK錠25mg  1回2錠(1日2錠) 1日1回 朝食後 7日分

ワルファリンK錠1mg  1回1錠(1日1錠) 1日1回 朝食後 7日分

カルベジロール錠2.5mg   1回1錠(1日2錠) 1日2回 朝夕食後 7日分

問252(実務)

追加された薬剤の投与開始日から、頻回に測定する必要性が最も高い検査値はどれか。1つ選べ。

  1. 血清ナトリウム濃度
  2. 血清カリウム濃度
  3. 血清クレアチニン値
  4. 血清アルブミン値
  5. PT−INR値

問253(薬理)

この患者の背景から新たに追加された薬物の作用機序を踏まえ、前問の検査値を測定する理由として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. バソプレシンV2 受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。
  2. アルドステロン受容体を遮断することで、K+ の排泄が抑制され、高カリウム 血症を引き起こす可能性がある。
  3. アンジオテンシンⅡAT1 受容体を遮断することで、血清クレアチニン値の上 昇を特徴とする腎機能障害を引き起こす可能性がある。
  4. ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl- 共輸送系を阻害することで、血清アルブミン値の低下を特徴とするネフローゼ症候群を引き起こす可能性がある。
  5. ビタミンKの作用に拮抗することで、プロトロンビン時間が延長し、出血のリスクが高まる可能性がある。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問252

1.〇 処方薬の中で今回追加されたと考えられるのはトルバプタン(商品名:サムスカ)であると考えられます。トルバプタン(商品名:サムスカ)は入院下で投与を開始又は再開する必要があります。その理由は急激な血清ナトリウム濃度が上昇する可能性があるためです。血清ナトリウム濃度は頻回測定する必要があると考えられます。

トルバプタン(商品名:サムスカ)はループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全の体液貯留に用います。トルバプタン(商品名:サムスカ)は腎集合体でバソプレシンV₂受容体を遮断し水分の再吸収を抑制します。この際電解質の再吸収を抑制する作用はないので高Na血症に注意する必要があります。

2.×

3.×

4.×

5.×

問253

1.〇

2.× スピロノラクトン(商品名:アルダクトン)の記述です。

3.× ロサルタン(商品名:ニューロタン)の記述です。

4.× フロセミド(商品名:ラシックス)の記述です。

5.× ワルファリン(商品名:ワーファリン)の記述です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問250−251】

問250−251 

75歳男性。7年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ・ベンセラジド 塩酸塩配合錠の投与によって日常生活は問題のないレベルを維持してきた。胃がんの手術のため外科病棟に入院したところ、この配合錠を正しく服用しているにもかかわらず、症状の日内変動(wearing−off現象)が認められるようになった。

問250(実務)

外科の主治医から病棟担当薬剤師に、wearing−offの治療に関する相談があり、一剤追加することになった。提案すべき併用薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. トリヘキシフェニジル塩酸塩
  2. イストラデフィリン
  3. ドロキシドパ
  4. ビペリデン塩酸塩
  5. エンタカポン

問251(薬理)

前問で提案すべき併用薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 線条体において、アデノシンA2A 受容体を遮断する。
  2. 線条体において、ドパミンD2 受容体を遮断する。
  3. 芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され、脳内のノル アドレナリンを補充する。
  4. 主に末梢において、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻 害し、レボドパの代謝を抑制する。
  5. 線条体において、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

 

 

問250

レボドパの効果が発現してパーキンソン症状がコントロールされている状態がon、効果がなくなった状態がoffです。 パーキンソン病が進行すると、offの状態が長くなります。1日のうちにonとoffが混在する状態をwearing-off現象といいます。

1.× 抗コリン薬を高齢者に投与すると、せん妄、不安、口喝、排尿困難、便秘等が現れやすくなるので積極的には使用されません。

2.〇 アデノシンA₂受容体遮断薬であるイストラデフィリン(商品名:ノウリアスト)はwearing−off改善に用いられます。

3.× ドロキシドパ(商品名:ドプス)は、すくみ足改善に使用します。

4.× 

5.〇 COMT阻害薬であるエンタカポン(商品名:コムタン)もwearing−off改善に用いられます。ほかに、MAO阻害薬であるセレギリン(商品名:エフピー)なども用いられます。

 

 

問251

  1. 〇 イストラデフィリン(商品名:ノウリアスト)の作用機序です。
  2. × パーキンソン病にはD₂受容体刺激薬を使用します。D₂受容体刺激薬の代表的な薬剤として、麦角アルカロイド誘導体であるブロモクリプチン(商品名:パーロデル)、ペルゴリド(商品名:ペルマックス)、非麦角アルカロイド誘導体であるタリペキソール(商品名:ドミン)、レキップ(商品名:ロピニロール)があります。
  3. × ドロキシドパ(商品名:ドプス)の作用機序です。パーキンソン病におけるすくみ足に使用します。
  4. 〇 エンタカポン(商品名:コムタン)の記述です。レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラシドとの併用によるwearing-offの改善に用います。
  5. × トリフェキシフェニジル(商品名:トリフェジノン)、ピペリデン(商品名:タスモリン)の記述です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問248−249】




問248−249

77歳女性。下記の眼科の処方箋を薬局で応需した。持参したお薬手帳には、他院で処方され現在服用中の内容が記載されていた。さらに患者にどんな病気で薬を服用しているのかインタビューをしたところ、処方医への問合せが必要になった。

(処方)
ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5mL/本)1本
1回1滴 1日1回 就寝前 両眼点眼

ドルゾラミド点眼液0.5%(5mL/本)1本
1回1滴 1日3回 朝昼夕 両眼点眼

チモロール点眼液0.25%(5mL/本)1本
1回1滴 1日2回 朝夕  両眼点眼

(お薬手帳記載内容)
ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg  1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分

酸化マグネシウム細粒83%  1回0.8g(1日2.4g)
1日3回 毎食後 28日分

アトルバスタチン錠10mg  1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分

ワルファリンK錠1mg  1回1錠(1日1錠)
 1日1回 朝食後 28日分 

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル100 μg吸入用エアゾール 100吸入1本
1回1吸入 1日2回朝夕 吸入

 

問248(実務) 患者へのインタビュー及びお薬手帳に記載されている薬剤から判明した患者の既往症に対して今回処方された薬剤が禁忌となるため、今回処方した眼科医へ問合せが必要となった。このような判断に至ったお薬手帳記載の薬剤はどれか。1つ選 べ。

  1. ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg
  2. 酸化マグネシウム細粒83%
  3. アトルバスタチン錠10mg
  4. ワルファリンK錠1mg
  5. ベクロメタゾンプロピオン酸エステル100 μg吸入用エアゾール

 

問249(薬理)

前問で問合せをする根拠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. プロスタノイド受容体遮断作用によって胃潰瘍を悪化させる。
  2. 浸透圧利尿作用によって血圧を低下させる。
  3. Rhoキナーゼ阻害作用によって脳血栓症の悪化を引き起こす。
  4. アドレナリン β2 受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。
  5. 炭酸脱水酵素阻害作用によって腎障害を悪化させるおそれがある。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

 

問248

1.×

2.×

3.×

4.×

5.〇 本薬剤を服用していることから、本患者さんは気管支喘息に罹患していると推測できます。よって、β受容体遮断薬であるチモロール点眼液0.25% (商品名:リズモン) は気管支平滑筋収縮作用をもち、気管支喘息の患者には禁忌であるため不適と考えられます。

 

問249

1.×

2.×

3.×

4.〇 アドレナリンβ₂受容体遮断作用による気管支平滑筋収縮作用により気管支喘息を悪化させるおそれがあります。

5.× 炭酸脱水酵素阻害作用をもつトルゾラミド(商品名:トルソプト)は腎排泄型薬物なので、重篤な腎障害患者には禁忌です。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問246−247】




問246−247

42歳女性。5年前に出産後、しばしば複視が出現した。他の症状は認められなかったが、2年経過後、眼瞼下垂、四肢の疲労感が出現し始めた。半年前からは、夕方になると増悪し、台所仕事ができない、しゃべりにくいなどの症状が出現したため、近医を受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体の値が23nmol/L(正常値0.0 – 0.2nmol/L)であり、重症筋無力症と診断され、治療開始となった。

(処方)
ピリドスチグミン臭化物錠60mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 3日分

ピリドスチグミン臭化物錠60mgの内服を開始後、3日目の早朝から体調不良を訴え、救急外来を受診した。医師は投与量の妥当性を確認するために、注射剤としてエドロホニウム塩化物2mgを投与したところ、発汗、腹痛などの症状が増悪した。

問246(実務)
発汗、腹痛などの症状の改善及び今後の治療継続に必要なのはどれか。2つ選べ。

  1. エドロホニウム塩化物注射液の追加投与
  2. ピリドスチグミン臭化物錠の減量
  3. ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液の追加投与
  4. ピリドスチグミン臭化物錠の増量
  5. アトロピン硫酸塩注射液の追加投与

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問246

1.× 重要筋無力症とは、抗アセチルコリン抗体によりアセチルコリン受容体が減少する疾患です。複視、眼瞼下垂が主症状で、コリンエステラーゼ阻害薬で治療を行います。重症筋無力症は急激に全身筋肉が麻痺し呼吸麻痺に至ることがあります。(これをクリーゼといいます。)これは、コリンエステラーゼ阻害薬の過剰投与または投与量不足によって起こります。本患者さんはエドロホニウム(商品名:テンシロン)投与で悪化しているので過剰投与によるものであると考えられます。よってエドロホニウム塩化物注射液の追加投与は不適であると考えられます。

2.〇 ピリドスチグミン臭化物錠(商品名:メスチノン)は原因薬物であると考えられるので減量することは適切であると考えられます。

3.× ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液もエドロホニウム(商品名:テンシロン)やピリドスチグミン臭化物錠(商品名:メスチノン)と同様の作用機序をもつコリンエステラーゼ阻害薬なので追加投与は不適であると考えられます。

4.×

5.〇 発汗や腹痛はコリンエステラーゼ阻害によるM₃受容体刺激によっておこっていると考えられるので抗コリン薬を投与するのは適していると考えられます。

問247(薬理)

前問で選択した治療処置により、患者の症状は緩和された。この症状が緩和される機序はどれか。2つ選べ。

  1. アセチルコリンの濃度の上昇
  2. アセチルコリンの濃度の低下
  3. ムスカリン性アセチルコリン受容体における競合的拮抗
  4. ニコチン性アセチルコリン受容体の脱感作
  5. アセチルコリンエステラーゼの阻害

問247

1.× コリンエステラーゼ阻害薬を減量することでアセチルコリンの分解量が増えるため、アセチルコリン濃度は低下します。

2.〇

3.〇 抗コリン薬の作用機序です。

4.×

5.×

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問345】




問345
75歳男性。骨粗しょう症と脂質異常症の既往があり、アレンドロン酸錠35mg とロスバスタチン錠2.5mgを服用中であった。半年前から残尿感の自覚と尿勢の低下を認めていた。検診で、前立腺特異抗原(PSA)が37.18ng/mLであった。 精密検査の結果、前立腺がんの診断を受け、ホルモン療法が開始された。

(処方1)
リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg   1キット
4週間に1回 皮下注射

主に初回投与初期に出現する副作用はどれか。1つ選べ。

  1. ほてり
  2. LDLコレステロール値の上昇
  3. 血栓塞栓症
  4. 骨密度の低下
  5. うつ状態

この問題のポイントはリュープロレリン酢酸塩注射用は「ホルモン」であるため、投与初期にほてりが出ることがあります。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

  1. 〇 下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度が変化するため、投与初期にほてりがあることがあります。
  2. × LDLコレステロール値の上昇はリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)の副作用ですが、初回投与初期にみられることはほとんどありません
  3. × 血栓塞栓症はリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)の副作用ですが、初回投与初期にみられることはほとんどありません。
  4. × 骨密度の低下はリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)の副作用ですが、初回投与初期にみられることはほとんどありません。
  5. × うつ状態はリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)の副作用ですが、初回投与初期にみられることはほとんどありません。

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【薬剤師国家試験 実務 第104回 問344】




問344 薬剤師がICUに常駐して業務を行うため、汎用される医薬品について注意点をまとめることにした。その内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. プロポフォール注射剤は、小児の人工呼吸中鎮静には投与できない。
  2. 手術のため中止した抗血栓薬は、ICU入室中は再開できない。
  3. アドレナリン注射剤は、心停止の際に使用する。
  4. プロトンポンプインヒビターは、常に投与する。
  5. モルヒネ塩酸塩注射液が保管してある金庫にロクロニウム臭化物注射液を保管する。

(引用 厚生労働省 第104回薬剤師国家試験問題及び解答(平成31年2月23日、2月24日実施)https://www.mhlw.go.jp/content/000491254.pdf)

問344

1.〇 プロポフォール注射液(商品名:ディプリバン)の小児への集中治療における人工呼吸中の鎮静は禁忌です。

2.× 抗血栓薬の手術前後の休薬期間は、薬剤によって異なります。ICUに入室中であるか否かは無関係です。

3.〇 アドレナリン注射剤(商品名:ボスミン)は心停止の補助治療に用います。

4.× 常に投与するわけではありません。

5.× モルヒネは麻薬ですがロクロニウムは毒薬です。麻薬は、麻薬以外(覚醒剤を除く)と区別しかぎをかけた堅固な設備に保管する義務があります。

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