【A】「オルメサルタンのDMDO基から生成されるジアセチル(揮発成分)」と「メトホルミンのグアニジノ基」が高温下かつ水分で反応し、黄赤色や黄赤色などの縮合体を生成することが考えられる。
本剤とオルメサルタン メドキソミル等のDMDO基を有する製剤との一包化にともなう変色の明確な発生機序は不明であるが、メトホルミン製剤の変色は、DMDO 基から生成すると考え られる「ジアセチル(揮発成分)」とメトホルミン製剤の「グアニジノ基」が反応する配合変化であ ることが推察されている。さらに、加速条件(40°C 75% RH)下でのメトホルミンの「グアニジ ノ基」と DMDO 基から生成される「ジアセチル」の反応は、「グアニジノ基」と「ジアセチル」のみ では進行しないため、高温下で適当な水分に加えて反応するための「場」の存在が必要であると 推察している報告がある。
嶋田 光男 他:診療と新薬 (44), 875, 2007
(イニシンク配合錠 インタビューフォーム)
【A】以下の理由から、ツイミーグ錠500mgは1包化可能と考えられる。
無包装状態の安定性
・50°C (密栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・75%RH (開栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・1000lx の合計120万lx・hrの条件で変化なし
(ツイミーグ錠 インタビューフォーム)
- ツイミーグ錠 (イメグリミン) とオルメサルタンOD錠との1包化での安定性も問題なし。
- メトホルミン錠とオルメテックOD錠を1包化することにより、メトホルミン錠が黄赤色や変色に変色する。
【A】以下の安定性試験の結果から、デエビゴ錠のいずれの規格においても、1包化は可能と考えられる。
デエビゴ錠 2.5mg, 5mg, 10mg
製剤の各種条件下における安定性
【無包装・40°C・75%RH】の条件
12ヵ月‥外観、類縁物質、溶出性、含量のいずれの試験においても変化がなかった。
光についても安定
(デエビゴ錠 2.5mg, 5mg, 10mg インタビューフォーム)
【Q】ベルソムラ錠は1包化可能か?
【A】硬度が低下する可能性があるが基準以内(30N以上)であるため、1包化は可能と考えられる。「無包装状態での安定性」、「半透明分包紙(材質:グラシン紙)」、「透明分包紙(材質:セロファン、ポリエチレン)」の保存で120日間、外観、含量、硬度については基準値以内であった。
【条件 : 25℃ , 75%RH:裸錠 (シャーレ開放), 120日間保存】
・性状 (外観) 変化なし
・純度試験 適合
・溶出性 適合
・含量(%) 〈50mg錠 100.1%〉 〈100mg錠 97.9%〉 〈150mg錠 99.3%〉
・硬度(N) 〈50mg錠 31N 〉 〈100mg錠 40N〉 〈150mg錠 44N〉
【A】過酷試験【60℃、100%R.H、開放ガラス製容器】の条件で1週間で分解生成物が増加した (>5%) とデータがあり、1包化は不可と考えられる。
以下の情報も参考とする。
【A】以下のデータより、遮光下で1ヶ月間は安定と考えられるため、1包化可能であると考えられる。ただし、遮光が必要と考えられる。
1包化の実施については各施設での判断となる。
ロカルトロールカプセル0.25/ 0.5
【25°C、75%RH、遮光、褐色瓶開放】の保存条件で、1ヶ月間は性状・崩壊試験・薄層クラマトグラフィー・定量に異常はなかった。
瓶包装とPTP+ アルミ袋包装との相対比較試験 (40°C75%RH 3 カ月) を実施したところ、両包装形態の間で安定性の差は認められなかった。
(参考 インタビューフォーム ロカルトロールカプセル 0.25/ 0.5)
【A】基本的にはネイリンカプセルの1包化は不可と考えられる。高湿条件において1週間という短い期間でネイリンカプセルが固化し、含量低下する可能性があるためである。(※日本の夏の相対湿度は75%を超えることがある。) また、光に対して、変色する可能性がある。
※ネイリンカプセルの1包化は各施設の担当者の判断となる。
以下を参考とした。
苛酷試験
(1) 高湿 (条件 25℃ / 75%RH)
保存形態 : 開封した遮光ガラス瓶、
保存期間 : 1週間
結果 : 外観において、固まった粉末となった。また、エタノール含量、水分及び含量において、変化が認められた。
(2) 光安定性 (キセノンランプ 25℃ / 60%RH)
保存形態 : 石英製容器
保存期間 : 総照度120万lux・hr以上、総近紫外放射エネルギー200W・hr/m2以上
結果 : 外観において、僅かな脱色がみられた。
(ネイリンカプセル100mg インタビューフォーム )
【A】以下の安定性データから3ヶ月安定であり、1包化は可能であると考えられる。ただし、湿度が高値の時、錠剤硬度が低下するため注意が必要である。
※1包化の可否については各施設の医療担当者の裁量と判断になります。
過酷試験
(温度) 50℃/ なりゆき湿度、褐色ガラス瓶、気密3 ヵ月 → 類縁物質増加 (規格内) 、含量低下 (-)
(湿度) 25℃ / 90%RH 褐色ガラス瓶、開栓3 ヵ月 → 類縁物質増加 (規格内) 、乾燥減量値上昇、錠剤硬度低下、含量低下 (-)
(光) 25℃ (D65 ランプ) シャーレ開放、120 万 lx・時間 → 類類縁物質増加 (規格内)、含量低下 (-)
(参考 : グーフィス錠5mg 医薬品インタビューフォーム第2版)
http://www.mochida.co.jp/dis/interview/gof_n3.pdf
【A】可能である。しかし、以下の理由より、ホスリボン配合顆粒は1包化 後はチャック付きポリ袋などで保管することが望ましいと考えられる。
苛酷試験
〔条件〕25℃、75%RH、暗所、褐色ガラス瓶 / 開放、保存期間1、2、4週間
〔結果〕NaH2PO4・H2O 水分変化が認められた。
Na2HPO4 乾燥減量値に変化が認められた。
長期保存試験
〔条件〕25℃、60%RH、暗所、2重にしたポリエリレン袋、保存期間3、6、9、12、18、24、36ヶ月
〔結果〕NaH2PO4・H2O 36ヶ月間安定
Na2HPO4 36ヶ月間安定
(参考 : 医薬品インタビューフォーム 第3版)
【A】以下のデータから1包化は不可である。ただし1ヶ月以内であれば、粘着性が増加するが、含量は低下しない。そのため推奨はできないが、どうしても1包化が必要な患者であれば、短期間であれば1包化可能であると考えられる。以下を参考に各医療担当者の裁量で判断が必要である。。
適用上の注意
湿気、高温を避けて保存し、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
(トビエース 添付文書 第1版)
https://pfizerpro.jp/documents/lpd/tov01lpd.pdf
〔条件1〕温度40±2℃、無包装
トビエース4mg → 3ヶ月で含量94.5%
トビエース8mg → 3ヶ月で含量93.7%
〔条件2〕温度25±2℃ 、湿度75%±5%RH、無包装
トビエース4mg → 1ヶ月で含量92.8%、3ヶ月で含量89.2%
トビエース8mg → 1ヶ月で含量93.7%、3ヶ月で含量89.4%
〔条件3〕120万Lx・hr
トビエース4mg → 97.5%
トビエース8mg → 96.9%
(ファイザー製薬 トビエース錠の無包装状態の安定性)