安定性


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【Q】ツイミーグ錠 (イメグリミン) は1包化可能か ?

【A】以下の理由から、ツイミーグ錠500mgは1包化可能と考えられる。

無包装状態の安定性
・50°C  (密栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・75%RH (開栓・褐色ガラス瓶)の条件で3ヶ月後、変化なし
・25°C・1000lx の合計120万lx・hrの条件で変化なし
(ツイミーグ錠  インタビューフォーム)

  • ツイミーグ錠 (イメグリミン) とオルメサルタンOD錠との1包化での安定性も問題なし。
  • メトホルミン錠とオルメテックOD錠を1包化することにより、メトホルミン錠が黄赤色や変色に変色する。

【Q】テリボン皮下注オートインジェクターの室温における安定性は?

【A】テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターを誤って室温で保存した場合、「3日間まで」かつ、「30°C以下での保存」であれば、その後、使用可能である。ただし、すぐに使用しない場合は、気づいた時点で冷蔵庫に保管する必要がある。

基本的には、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターは冷蔵庫(2~8℃)で保存し、凍らせないことが必要である。
(参考 : テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター 使い方ガイドブック)

コミナティ筋注の保存方法は?安定性は?

冷蔵庫(2〜8℃)で解凍する場合
冷蔵庫で解凍し、2〜8℃で保管開始後、解凍と希釈を5日以内に行う
→冷蔵庫で解凍し、2〜8℃で保管開始後、解凍と希釈を1ヶ月以内に行う

室温で解凍する場合
解凍および希釈を2時間以内で行う
※室温に戻した後、2時間以内に希釈する必要がある。

  • 希釈後の液は2〜30℃で保存し、希釈後6時間以内に使用する。
  • 希釈後6時間以内に使用できなかった場合は廃棄する。
  • 解凍後は再冷凍しない
  • 希釈後の保存の際には、室内照明による暴露を最小限に抑える。直射日光や紫外線が当たらないようにする。

(1)冷凍保存
本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存することができる。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができる。いずれの場合も有効期間内に使用すること。
(2)冷蔵保存
本剤を冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、2~8℃で1ヵ月間保存することができる。なお、再冷凍はせず有効期間内に使用すること。

【Q】スピリーバ ・スピオルト レスピマットのカートリッジ装着後の使用期限は?

【A】カートリッジ装着後は3ヶ月以上経過すると使用はできない。

3ヶ月以上の安定性試験は行っていないことが理由である。

カートリッジを挿入して3ヶ月以上経過した場合は、薬剤が残っていたとしても使用しないでください。(スピリーバ レスピマット スピリーバ レスピマット の吸入方法 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)

・7日間以上使用しなかった場合は、下に向けて1回噴霧が必要。
・21日間以上使用しなかった場合は、ミストがみえるまで噴霧し、ミストが見えた後も、3回噴霧繰り返す必要がある。

【Q】トリノシン腸溶錠の保存方法が「なるべく冷所」の理由は?

【A】トリノシン腸溶錠の添付文書上の貯法は【なるべく冷所に保存すること。】と曖昧な表現になっています。曖昧な表現の理由は、以下の通り、室温においても1年半後には含量低下は認められず、また、2年後も5%程度の含量低下程度にとどまることから、このような記載となっていると考えられます。なお、使用期限は製造後2年間となっています。

長期保存試験において、【室温保存】の場合、2年後に含量が94.5%程度まで低下した。同様の条件で【15℃】の保存であれば、2年後も含量の低下は認められなかった。また、【室温保存】の場合、1年6ヶ月で含量の低下は認められなかった。

【Q】モビコール配合内用剤の開封後・溶解後の安定性は?

【A】モビコール配合内用剤の安定性については以下の通りである。

開封後(粉末の状態)は

【75%RH未満)】であれば7日間安定する。【高湿度条件(75%RH以上)であれば7日間で吸湿率9.44%となる】


溶解後は

7日間安定である。

【5℃ 、ポリエチレン容器】 の条件→7日間変化なし

【25℃、60%RH ポリエチレン容器 】の条件→7日間変化なし
(モビコール配合内用剤 インタビューフォーム )

「やむを得ず保存する必要がある場合は、冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに服用すること。」

(モビコール配合内用剤 インタビューフォーム )

開封後(粉末の状態)の吸湿性
本品約1 gを精密に量り、はかり瓶に入れて、各塩の飽和溶液で湿度を調整したデシケータ中に7 日間保存し(25℃)、試験を行った。その結果、75%RH 以上で高い吸湿性を示した。

43%RH 吸湿率0.22%
53%RH 吸湿率0.40%
69%RH 吸湿率1.30%
75%RH 吸湿率9.44%
84%RH 吸湿率25.54%

(モビコール配合内用剤 インタビューフォーム )

【Q】ストラテラ内用液0.4%の開封後の使用期限は?

【A】ストラテラ内用液0.4%開封後の使用期限は90日までである。(日本イーライリリー株式会社 問い合わせ窓口)

後発品であるアトモキセチン内用液0.4%「トーワ」の使用期限も同様に90日までである。先発品と同じように設定。(東和薬品株式会社 問い合わせ窓口)

<開封後の使用期限>
瓶包装品のまま患者さんに交付する場合、開封後の使用期限は45日です。開封後45日を経過した製品を患者さんが服用しないよう指導してください。
(日本イーライリリー株式会社 製品Q&A)

→開封後の使用期限は90日まであるのに対して、患者交付後の使用期限は45日までである。

例えば、
・薬局で開封30日後に調剤、患者に渡した場合は、使用期限は45日と伝える。
・薬局で開封60日後に調剤、患者に渡した場合は、使用期限は30日と伝える。

→薬局で開封後は90日間安定であるのに対して、患者交付後に45日間安定と日数が短くなるのは、専用ピペットが新品のものか、否かであるか(患児に直接ピペットをくわえさせるため)で異なるためと考えられる。

インタビューフォームには、【ストラテラ内用液の開封後の安定性】については記載がない。

『コメント』
【1日2回(1回4ml) 90日分】の処方であれば、一度に720mlを渡すことになる。ストラテラは1瓶100mlなので、7瓶+20mlとなる。20mlを小分けの瓶に入れて渡すが、80ml残ってしまう。次回来局するのは90日後なので、安定性の点から80mlは捨てることになる。ADHD患者が多く来局するような薬局であればいいが、大きな経済的ロスとなる。

ストラテラ内用液0.4%が小分け瓶で調剤する理由が以下の様に記載されています。

・大量誤飲防止:お子様には開けにくい安全キャップ、および、ストラテラ内用液専用のアダプター
・服用量の正確な計量:専用ピペット
・製品の安定性の保持:褐色ガラス瓶、密閉性のあるキャップ (他の容器に小分けした場合、光への曝露や水分の損失により製品品質が変化する可能性がある)
(日本イーライリリー株式会社 製品Q&A)

【Q】ネイリンカプセルは1包化 (分包) 可能か?

【A】基本的にはネイリンカプセルの1包化は不可と考えられる。高湿条件において1週間という短い期間でネイリンカプセルが固化し、含量低下する可能性があるためである。(※日本の夏の相対湿度は75%を超えることがある。) また、光に対して、変色する可能性がある。
※ネイリンカプセルの1包化は各施設の担当者の判断となる。

以下を参考とした。

苛酷試験 

(1) 高湿 (条件 25℃ / 75%RH)

保存形態 : 開封した遮光ガラス瓶、

保存期間 : 1週間

結果 : 外観において、固まった粉末となった。また、エタノール含量、水分及び含量において、変化が認められた。

(2) 光安定性 (キセノンランプ 25℃ / 60%RH)

保存形態 : 石英製容器

保存期間 : 総照度120万lux・hr以上、総近紫外放射エネルギー200W・hr/m2以上

結果 : 外観において、僅かな脱色がみられた。

(ネイリンカプセル100mg インタビューフォーム )

【NEWS】クレナフィン爪外用液 保存期間変更 添付文書改訂

【内容】2018年9月にクレナフィン爪外用液の添付文書が改訂され、開封後の安定性が4週間から12週間に延長となった。

これは安定試験の結果、品質に影響しないことが確認されたためである。

 

取扱い上の注意
(変更前)

開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。

(変更後)

開封後12週間経過した場合は、残液を使用しないこと。