ゾフルーザ


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【NEWS】ゾフルーザ錠20mg供給が不足 2019年1月

2018年3月に新しい抗インフルエンザ薬であるゾフルーザ錠が発売されました。しかし、現在 (2019年1月18日)は、インフルエンザが大流行しているため、ゾフルーザ錠20mgの供給が追い付かず、出荷調整となっています。(2019年1月18日現在)

ゾフルーザ錠10mgに関しては以前より供給不足の状態が続いています。

代替薬は、【タミフルカプセル75、タミフルドライシロップ3% 、オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」(タミフルの後発品)、オセルタミビルDS「サワイ」(タミフルDSの後発品)、イナビル吸入粉末剤20mg、リレンザ】が候補となります。

参考までに、ゾフルーザが発売される以前の2017年度の抗インフルエンザ薬の使用状況を示します。

【Q】ゾフルーザ錠の服薬タイミングは食前?食後?

【A】添付文書には食前、食後を指定した用法に関する記載はない。
また、塩野義製薬が2018年9月に作成した「ゾフルーザ錠のよくあるお問い合わせ」には食前・食後に関わらず服薬可能と記載がある。インフルエンザと診断されれば、できるだけ速やかに服薬するほうがよいと思われる。
以下に抜粋したゾフルーザのインタビューフォーム によると食前投与のほうが、CmaxやAUCは高いと記載があるが、薬物治療効果には変わりないということなのであろう。

食事・併用薬の影響
健康成人男性を対象に,本剤40 mgを空腹時(14例)又は普通食摂取後(14例)に単回経口投与したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータを表Ⅶ-4,平均血漿中濃度推移を図Ⅶ-3に示す。空腹時投与と比べ食後投与でCmaxは48%,AUCは36%減少した。Tmaxの中央値はいずれも4時間であった。
(ゾフルーザ錠 インタビューフォーム)

 

用法用量

1. 通常,成人及び12歳以上の小児には,20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)を単回経口投与する。ただし,体重80kg以上の患者には20mg錠4錠又は顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして80mg)を単回経口投与する。

2. 通常,12歳未満の小児には,以下の用量を単回経口投与する。
40kg以上 → 20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
20kg以上40kg未満 →20mg錠1錠又は顆粒2包(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
10kg以上20kg未満 → 10mg錠1錠( バロキサビル マルボキシルとして10mg)
(添付文書 : ゾフルーザ錠10mg / ゾフルーザ錠20mg / ゾフルーザ顆粒2%分包)

【NEWS】ゾフルーザ顆粒2%分包 製造販売承認取得 2018年9月

2018年9月、ゾフルーザ顆粒2%分包の製造販売が承認された。適応は成人12歳以上の小児12歳未満の体重20kg以上の小児のみとなっている。体重20kg未満であればゾフルーザ顆粒2%分包の使用は不可であり、顆粒製剤のメリットである乳児に対する使用はできない。やや使いづらいと考える。今後、乳児にも使用できるように適応が追加されると予想される。
この理由としてゾフルーザ錠20mg 1 錠と顆粒1gの生物学的同等性試験を健康成人に対して行なっており、乳児の有効性が確立されなかったことが要因と考えられる。ゾフルーザ顆粒を今冬に間に合わせるために生物学的同等性試験のみとなったのであろう。(2018年10月時点)

 

既存のゾフルーザ錠の用法に追加された項目は以下の通りとなっている。

【成人および12歳以上の小児】
ゾフルーザ顆粒2%分包を1回4包を単回経口投与

【12歳未満の患者】
40kg以上 顆粒1回4包

20kg以上40kg未満 顆粒1回2包

 

 

生物学的同等性
健康成人においてゾフルーザ錠20mgを1 錠又は顆粒を1g (バロキサビル マルボキシルとして20mg)をクロス オーバー法にて空腹時に単回経口投与し,薬物動態を比 較したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物 動態パラメータを表 4 に示す。Cmax 及び AUC の対数の 平均値の差について 90%信頼区間法にて統計解析を行っ た結果,log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり,両剤の生物 学的同等性が確認された 

 

【規格】
ゾフルーザ顆粒 2%分包:SP10 包(0.5g×10 包)

【NEWS】ゾフルーザ錠 厚生労働省 承認 (第1報)

【コメント】

厚生労働省は2018年2月2日にゾフルーザ錠の製造販売を承認した。2018年5月に薬価収載予定である。

A型およびB型インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害し、ウイルスmRNAの合成を阻害することにより、ウイルス増殖抑制作用を発揮する。既存のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なった作用機序である。

以下に詳細を示す。(2018年2月25日時点)

参考 : ゾフルーザ錠 添付文書 第1版 https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=383bb61b9f07173130c17c1848899a4a

ゾフルーザ錠 インタビューフォーム 第1版 https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=1fdd914c8583f58b143be6cb133e6cb7

 

1. 規格はゾフルーザ錠10mgと20mgの2種類。

2. 適応は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」

3. 予防投与は不可 (発売時点)

 

4. 用法用量

成人および12歳以上の小児は20mg錠2錠を単回経口投与する。

ただし、体重80kg以上の患者には20mg錠4錠を単回経口投与する。

12歳未満小児

40kg以上‥20mg錠2錠

20kg以上40kg未満‥20mg錠1錠

10kg以上20kg未満‥10mg錠1錠

 

5. 小児患者対象第Ⅲ相臨床試験では対象年齢は1歳から11歳までの患児に行なっている。

ゾフルーザ錠10mgの大きさは直径2.65mmと大きくはないが、1歳の患児に錠剤は飲めたのかという疑問は残る。1歳の患児に飲めたのであれば、イナビル吸入剤やタミフルドライシロップからゾフルーザ錠に大幅に切り替わっていくと考えられる。以下に2016年/2017年シーズンの国内での抗インフルエンザウイルス剤使用患者数を示す。

「0〜9歳」のタミフルドライシロップと「10〜19歳」のイナビル吸入剤がゾフルーザ錠に切り替われば相当の数になると思われる。

 

0〜9歳の推定処方患者数 10〜19歳の推定処方患者数 全推定処方患者数
タミフル

(オセルタミビルリン酸塩 1))

約131万人

約10万人 約313万人
リレンザ

(ザナミビル水和物 2))

約56万人

約72万人 約197万人

ラピアクタ

(ペラミビル水和物 3))

約2万人 約3万人

約27万人

イナビル (ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 4)) 約39万人 約138万人

約475万人

1) 株式会社日本医療データベースより算出 (2016年4月〜2017年3)

2) JMIRIのデータよりGSKが各種条件下、算出 (2016年10月〜2017年4月)

3) JammNetのデータより塩野義薬 (株)が算出 (2016年10月〜2017年4月)

4) JMDCのデータより (2016年10月〜2017年3月)