イナビル


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【まとめ】イナビル 吸入懸濁用160mgセット

【イナビル 吸入懸濁用160mgセット】

  • 生理食塩液2mLで懸濁し、ネブライザを用いて単回吸入投与する抗インフルエンザ吸入薬
  • ネブライザーのため自然呼吸に合わせながら吸入できる。イナビル粉末用が吸入しづらい患者【5 歳未満の小児、肺機能が著しく低下している呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患等)を合併する患者、吸入手技の理解が不足している患者】に対しても、使用可能と考えられる
  • 臨床試験における小児の年齢は、3歳未満は27例、3歳以上5歳未満は44例、5歳以上10歳未満は102例(審査報告書より)。(メーカーに問い合わせしたところ、0歳は1例、1歳以上7歳未満は117例、7歳以上9歳未満は55例とのこと)。→1歳児でも吸入可能と考えられる。
  • 添付のネブライザ吸入器は単回使用であり、再使用は不可
  • 添加物はチロキサポールであり、使用前例がない。
  • 10歳以上でも10歳未満でも吸入懸濁用製剤160mgと用量は変わらない。
  • 臨床試験において10歳未満の患者の半数以上がマウスピースよりマスクを選択。一方、成人および10歳以上の小児ではほどんどがマウスピースを選択。

(参考 : イナビル吸入懸濁用160mgセット 添付文書、IF、審査報告書)

添付のネブライザ吸入器とコンプレッサーとの適合
・PARI ボーイSX
・PARI イプシータ
・オムロンコンプレッサー式ネブライザNE-C28
・オムロンコンプレッサー式ネブライザNE-C29
・オムロンコンプレッサー式ネブライザNE-C30
・ソフィオ
・ボヤージ
・イノスパイアミニ コンプレッサー
・ミリコンPro
・ミリコンCube
(インタビューフォーム より)

【NEWS】イナビル吸入懸濁用160mgセット 製造販売承認 2019.6

【まとめ】イナビル 吸入懸濁用160mgセット

現在、抗インフルエンザ剤として「イナビル吸入粉末剤20mg」が発売されています。しかし、吸入力が弱い患者であれば、吸入が不良になるとの報告がいくつかあり、吸入製剤特有の問題がありました。例えば、「イナビル吸入粉末剤20mg」は4〜6歳の患者において、製薬メーカーから提供されている吸入確認笛を用いても粉末剤の吸入が不良となり罹病期間が延長するなどの報告がありました。
https://jphcs.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40780-017-0094-7

これらの背景から、2019年6月18日に「イナビル吸入懸濁用160mgセット」が製造販売承認を取得しました。この新剤型である「イナビル吸入懸濁用160mgセット」は生理食塩液を加えると白色の懸濁液となり、ジェット式ネブライザを用いて単回吸入投与するという薬剤です。「イナビル吸入懸濁用160mgセット」にはネブライザ吸入器が付属しており、事前にコンプレッサーとの適合性を確認する必要がありそうです。どのようなネブライザ吸入器が付属してくるのかは現在のところ不明です。 

「イナビル吸入粉末剤20mg」は薬剤師が薬局内で吸入させるケースが多かったとは思いますが、「イナビル吸入懸濁用160mgセット」はネブライザーがある病院内で吸入させることが多くなる??のでしょうか。

ネブライザー式のため、「イナビル吸入粉末剤20mg」が吸入できない5歳未満の小児や高齢者など吸入力が弱い患者が対象となります。また「イナビル吸入粉末剤20mg」は苦味が強かったため、ネブライザーであれば、そのあたりも改善されそうです。

さらに「イナビル吸入粉末剤20mg」は添加剤として乳糖水和物を含有していたため、乳製品に対し過敏症の既往症がある患者は、慎重投与とされていたが、「イナビル吸入懸濁用160mgセット」は添加されておらず、慎重投与扱いにはならないこともポイントの一つになりそうです。

イナビル吸入懸濁用160mgセット

  • 1バイアル中 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物  166.1mg(ラニナミビルオクタン酸エステルとして  160mg)
  • 添加剤  チロキサポール
  • 生理食塩液を加えると白色の懸濁液となる。
  • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
  • 成人及び小児には、ラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgを日本薬局方生理食塩液2mLで懸濁し、ネブライザを用いて単回吸入投与する。
  • 本剤を吸入する際には、ジェット式ネブライザを使用すること。添付のネブライザ吸入器を使用する際に、事前にコンプレッサーとの適合性を確認すること。
  • 1包装 : 5バイアル(ネブライザ吸入器 5個添付)
  • 海外での販売はなし
  • ネブライザーに懸濁した薬液を投入し、霧状にし、自発呼吸で薬剤を吸入
  • 5歳未満の小児や、気管支喘息など肺機能が著しく低下している呼吸器疾患を合併する患者などを対象
  • 既存薬では添加剤として乳糖水和物を含有していたため、乳製品に対し過敏症の既往症がある患者は、慎重投与とされていたが、今回の新製剤には添加されておらず、慎重投与扱いにはならない。

(参考 : 薬事・食品衛生審議 イナビル吸入懸濁用160mgセット)

【NEWS】ゾフルーザ錠20mg供給が不足 2019年1月

2018年3月に新しい抗インフルエンザ薬であるゾフルーザ錠が発売されました。しかし、現在 (2019年1月18日)は、インフルエンザが大流行しているため、ゾフルーザ錠20mgの供給が追い付かず、出荷調整となっています。(2019年1月18日現在)

ゾフルーザ錠10mgに関しては以前より供給不足の状態が続いています。

代替薬は、【タミフルカプセル75、タミフルドライシロップ3% 、オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」(タミフルの後発品)、オセルタミビルDS「サワイ」(タミフルDSの後発品)、イナビル吸入粉末剤20mg、リレンザ】が候補となります。

参考までに、ゾフルーザが発売される以前の2017年度の抗インフルエンザ薬の使用状況を示します。

【Q】抗インフルエンザ薬の予防投与の用法・用量は?

【A】現在発売されている抗インフルエンザ薬の予防投薬の用量について以下にまとめた。ゾフルーザ錠に関しては現在は予防投与の適応は通っていない。(2019年1月現在)

タミフルカプセル75、オセルタミビルカプセル「サワイ」(予防投与)
成人‥1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与 
体重37.5kg以上の小児‥1回75mgを1日1回、10日間経口投与

 

タミフルドライシロップ3%(予防投与)
成人‥1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与
幼小児‥2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg) 1日1回、10日間経口投与。1回最高用量はオセルタミビルとして75mg。

 

イナビル吸入粉末剤20mg(予防投与)
成人‥40mg (イナビル2本分)を単回吸入投与 or 20mg(イナビル1本分)を1日1回、2日間吸入投与
小児:10歳未満の場合、20mg(イナビル1本分)を単回吸入投与する。
10歳以上の場合、40mg (イナビル2本分)を単回吸入投与 or 20mg(イナビル1本分)を1日1回、2日間吸入投与

 

リレンザ(予防投与)
成人も小児も用量は変わらない。
成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入

 

【タミフルカプセル75、オセルタミビルカプセル「サワイ」
予防に用いる場合 
(1) 成人
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与する。 (2)(2) 体重37.5kg以上の小児
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経 口投与する。

【タミフルドライシロップ3%
予防に用いる場合
(1) 成人
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間、用時懸濁して経口投与する。
(2) 小児
通常、オセルタミビルとして以下の1回用量を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。
幼小児の場合
2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)

・インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
・インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。

【イナビル吸入粉末剤20mg
予防に用いる場合
成人:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、20mgを1日1回、2日間吸入投与することもできる。

小児: 10歳未満の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。
10歳以上の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、20mgを1日1回、2日間吸入投与することもできる。

【リレンザ
予防に用いる場合
通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入

(参考 : 各社添付文書)