酸化マグネシウム

 

【Q】重質酸化マグネシウムと酸化マグネシウムの違いは?

【A】医薬品として用いられている酸化マグネシウムは重質酸化マグネシウムがほとんどである。

・「本品の5 gの容積が30 mL以下のものは別名として重質酸化マグネシウムと表示することができる.」と第十七改正日本薬局方で定義されている。
逆に軽質酸化マグネシウムは、5gの容積が30mL以上の酸化マグネシウムとなる。

・酸化マグネシウムは飛散性が高く、乳鉢・乳棒が付着するので重質酸化マグネシウムが使用されている。

・重質品は軽質品に比べ若干作用の発効が遅いとされている。

酸化マグネシウム
Magnesium Oxide
MgO : 40.3
本品を強熱したものは定量するとき,酸化マグネシウム(MgO) 96.0%以上を含む.
本品の5 gの容積が30 mL以下のものは別名として重質酸化マグネシウムと表示することができる.
(第十七改正日本薬局方)

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【Q】マグラックス細粒83%と酸化マグネシウムの換算は?




【A】マグラックス細粒83%は1gに0.833gの酸化マグネシウムが含有しているため、変更時には換算が必要である。

(例)・酸化マグネシウム0.33g → マグラックス細粒0.4g
・酸化マグネシウム0.5g → マグラックス細粒0.6g
・酸化マグネシウム0.67g → マグラックス細粒0.8g
・酸化マグネシウム1.0g → マグラックス細粒1.2g

マグラックス細粒83%は微粉末であるため、酸化マグネシウムと比較してザラザラ感などが軽減されている。




【Q】酸化マグネシウムとPPI・H2遮断薬との相互作用は?




【A】酸化マグネシウムと酸分泌抑制剤 (PPI・H2遮断薬)を併用することにより酸化マグネシウムの緩下作用が減弱すると考えられている。

酸化マグネシウムの生体内における反応は

胃内 : 2HCl + MgO →MgCl2 +H2O

腸管内 : MgCl2 + 2NaHCO3 → 2NaCl + Mg(HCO3)2である。 生成物Mg(HCO3)2が腸管内の浸透圧を高めて腸内に水分を引き寄せることで排便を促すという機序である。

しかし、酸分泌抑制剤を併用した場合は上記の反応がおこりにくく、 Mg(HCO3)2の生成が減少するため、酸化マグネシウムの作用が減弱することが予想される。

実際に酸化マグネシウム単独群と酸分泌抑制剤併用群の2群に分け、それぞれの排便状況を調査した報告を以下に紹介する。

・酸分泌抑制剤併用群 (PPI・H2遮断薬) は酸化マグネシウム単独群に比べ、排便コントールに要した酸化マグネシウムの投与量が有意に多かった。

・併用群は他の下剤の追加が必要となるなど排便コントロールは不良となった。

・酸化マグネシウムと酸分泌抑制剤を併用している患者が排便コントロール不良の場合には、他の作用機序の異なる緩下剤の作用も検討する必要がある。

 

(中国労災病院医誌 vol23, 36-39, 2014)

http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201502215675600150