【Q】トビエース錠は1包化 (分包) 可能か?

【A】以下のデータから1包化は不可である。ただし1ヶ月以内であれば、粘着性が増加するが、含量は低下しない。そのため推奨はできないが、どうしても1包化が必要な患者であれば、短期間であれば1包化可能であると考えられる。以下を参考に各医療担当者の裁量で判断が必要である。。

適用上の注意

湿気、高温を避けて保存し、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

(トビエース 添付文書 第1版)

https://pfizerpro.jp/documents/lpd/tov01lpd.pdf

 

〔条件1〕温度40±2℃、無包装

トビエース4mg → 3ヶ月で含量94.5%

トビエース8mg → 3ヶ月で含量93.7%

〔条件2〕温度25±2℃ 、湿度75%±5%RH、無包装

トビエース4mg → 1ヶ月で含量92.8%、3ヶ月で含量89.2%

トビエース8mg → 1ヶ月で含量93.7%、3ヶ月で含量89.4%

〔条件3〕120万Lx・hr

トビエース4mg → 97.5%

トビエース8mg → 96.9%

(ファイザー製薬 トビエース錠の無包装状態の安定性)

 

 

 

 

【Q】カロナール錠は粉砕可能か?

【A】以下の理由から、粉砕可能と考えられる。強い苦味があるため、注意が必要である。

製剤の各種条件下における安定性

苛酷試験 25℃、湿度75%RH、粉砕状態でガラス瓶(遮光開放)の条件で3ヶ月、性状、定量、質量に変化なし。(カロナール200,300,500の規格)

(カロナール錠 医薬品インタビューフォーム 第13版)

 

粉砕可能

(錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック 第7版)

【NEWS】2017年12月発売予定 後発品 発売予定

2017年12月 後発品 発売予定一覧 (内服薬・外用のみ)  2017年11月22更新

【内服薬】

  • ロスバスタチン錠2.5mg, 5mg 【クレストール錠】 (AGは2017年9月に発売済)
    ロスバスタチンOD錠2.5mg, 5mg 【クレストールOD錠】
    ※ロスバスタチン錠10mgの新剤型を発売するメーカーもあり
  • オルメサルタンOD錠5mg, 10mg, 20mg, 40mg 【オルメテックOD錠】(AGは2017年9月に発売済)
    オルメサルタン錠5mg, 10mg, 20mg, 40mg 【オルメテック錠】
  • イルベサルタン錠50mg, 100mg, 200mg 【アバプロ錠・イルベタン錠】
    イルベサルタンOD錠50mg, 100mg, 200mg
  • ファムシクロビル錠250mg 【ファムビル錠】 ※1錠500mgも新規格として発売するメーカーあり
  • シタフロキサシン錠50mg 【グレースビット錠】
  • フェノフィブラート53.3mg, 80mg 【リピディル錠・トライコア錠】
  • ロピニロール徐放錠2mg, 8mg 【レキップCR錠】
  • トラセミド錠4mg, 8mg【ルプラック錠】
  • ベポタスチンベシル酸塩錠5mg,10mg【タリオン錠】(AGのみであり、発売時期は未定)
  • デモゾロミド錠20mg,100mg【テモダールカプセル】(発売予定は「NK」1社のみ。後発品は錠剤)

 

【外用薬】

  • ドルモロール配合点眼液【コソプト配合点眼液】(AGのみ 参天製薬子会社の参天アイケア)
  • アダパレンゲル0.1%【ディフェリンゲル0.1%】
    ※アダパレンクリーム0.1%も新剤型として発売するメーカーもあり
  • モメタゾン点鼻液50μg56噴霧用・112噴霧用【ナゾネックス点鼻液50μg56噴霧用・112噴霧用】(AGのみであり、発売時期は未定)
  • トラボプロスト点眼液0.004%【トラバタンズ点眼液0.004%】(AGのみ)

【Q】ロヒプノール錠の販売中止理由と時期は?

【A】フルニトラゼパム製剤として同一剤形・同一規格製品である「サイレース錠」に1本化を行うため、ロヒプノール錠が中止となる。

販売中止時期は2018年8月、経過措置期間は2019年3月までの予定である。(2017年10月現在)

(エーザイ株式会社より)

【Q】スーグラ錠は簡易懸濁可能か?

【A】簡易懸濁可能であると考えられる。

簡易懸濁法にて5分で崩壊し、5Fr (フレンチ)の経管チューブで良好に通過する。

※各施設の医療担当者の裁量と判断になります。

【Q】スーグラ錠は粉砕可能か?

【A】以下の記載により、高湿度に注意が必要であるが、粉砕可能であると考えられる。ただし、粉砕による内服は適応承認外の用法であるため各施設の判断となる。

粉砕後5℃、湿度59%の条件で30日間変化なし。

粉砕後25℃、湿度75%の条件で30日間変化なし。

粉砕後30℃、湿度92%の条件で7日間で吸湿性あり。含有量は30日間で変化なし。

散光下、30日間の条件で白色→黄色帯びた色に変化する。

(製薬メーカー問い合わせ)

 

以下の理由から、有効成分には吸湿性は認められず、光の影響を受けにくい成分と考えれれる。

スーグラ錠50mgの各種条件下における安定性 (錠剤)

苛酷試験 (温度・湿度) 40℃、湿度75%、シャーレ、3ヶ月の条件で硬度の低下が認められた以外は変絵かなし。

苛酷試験 (光)  D65蛍光ランプ 1000lx、シェーレ、2ヶ月に条件で変化なし。

(医薬品インタビューフォーム 第6版)

【Q】スインプロイク (ナルデメジン) 錠は粉砕可能か?

【A】遮光保存かつ1ヶ月の期間であれば粉砕可能と思われる。しかし、以下の条件で類縁物質が規格外まで増加したため、注意が必要である。

粉砕後、保存条件『25℃ 、60%RH、褐色ガラス瓶 (開栓、遮光)、1ヶ月』で規格範囲内の水分増加、溶出率、含量の変化が認められた。類縁物質は規格限度外まで変化した。

(参考 : ナルデメジン錠0.2mg 錠剤粉砕後の安定性試験成績 シオノギ製薬 )

※粉砕の可否については各施設の医療担当者の裁量と判断になります。

【Q】バイアスピリン錠は粉砕可能か?

【A】以下のデータより、粉砕可能であると考えられる。しかし腸溶性が失われるため、胃腸障害に対する対策が必要である。粉砕後、30日間は安定と考えられる。

アスピリン素錠650mg VS 腸溶錠650mgを空腹時単回投与。

  • 血小板シクロオキシゲナーゼ活性は95%以上阻害され、素錠と腸溶錠の活性阻害率は同等である。
  • 素錠は投与後45分で活性阻害がMAX、腸溶錠は投与後10時間で活性阻害がMAX
  • 腸溶錠の胃粘膜の損傷は素錠に比べて有意に少ない。

粉砕後の安定性

25℃、75%RH、1000ルクス/hr 下にグラシン紙+薬袋で保存後、30日間安定。(水分の増加やサリチル酸のわずかな増加が認められたが規格範囲内であった。外観及びアスピリン含量は変化なく安定であった)

(バイアスピリン錠100mg 医薬品インタビューフォーム)

【Q】ユリーフ錠は粉砕可能か?

【A】ユリーフ錠は原薬の苦味と光安定性を考慮してフィルムコート錠となっている。粉砕は遮光かつ25℃の保存で3ヶ月可能と考えられる。粉砕後の苦味にも注意が必要である。以下を参考とした。

『苛酷試験 (光) 25℃、 湿度 = 成り行き、D65ランプ4,000lx、シャーレ開放、312時間 (約13日) 』の条件で外観の黄変、類縁物質及び水分量の増加、含量低下が認められた。

『苛酷試験 (温度) 25℃、湿度 = 90%RH、遮光、シャーレ開放、3ヶ月 』の条件で変化なし。

(ユリーフ錠 医薬品インタビューフォーム 第9版 参考)

https://www.medicallibrary-dsc.info/di/urief_tab_4mg/pdf/if_ur_1608_09.pdf

※粉砕の可否については各施設の医療担当者の裁量と判断になります。

【Q】アボルブカプセルは粉砕可能か?

【A】添付文書に以下の記載があることから粉砕は不可と考えられる。

カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用させること。

本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと(「禁忌」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」及び「小児等への投与」の項参照)。

(アボルブカプセル0.5mg 添付文書 第9版) http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340278_2499011M1027_1_11.pdf