【Q】医薬品に係る医療安全に資する情報共有と体制整備とは?

【A】当該保険薬局以外の医療従事者等に対し、医薬品に係る医療安全に資する情報の共有を行うにつき必要な体制が整備され、一定の実績を有していることが、調剤報酬の地域支援体制加算に必要となる。ヒヤリハット事例やプレアボイド事例、副作用報告などがあげられる。

  1. ヒアリハット事例 http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp  薬局から報告されたヒヤリ・ハット事例を分析し、提供することにより、医療安全対策の一層の推進を図ることを目的としている。参加している薬局の一覧も確認できる。
  2. プレアボイド http://www.jshp.or.jp  病院薬剤師会が事例の収集・共有を行なっている。平成28年は5万以上の事例が収集された。
  3. 副作用報告 副作用をPMDAへ報告する。副作用報告に関しては地域支援体制加算の項目に明記される予定。 https://www.pmda.go.jp/safety/reports/hcp/pmd-act/0002.html

(2018年2月7日時点)

【NEWS】イナビル吸入粉末剤の容器トレーが透明 (スケルトン) に変更

【コメント】イナビル吸入粉末剤20mgの薬剤トレーが透明に変更となり、吸入後の残量を視覚的に確認できるようになった。さらに、外装袋は「薬の吸い残しをなくすために、もう一度繰り返してください」の注意喚起が見やすい表示に変更となった。

第一三共株式会社 吸入容器仕様変更等のご案内

(https://www.medicallibrary-dsc.info/announce/other/pdf-data/2018/1801pack_ina_20.pdf)

これまでに、吸入力が弱い小児において有効成分を十分に吸入できない可能性があることや繰り返し吸入することで吸入量が増加し十分に吸入できる可能性があるという報告がある。以下の文献を参考。

Impact of the number of repeated inhalations and patient characteristics on the residual amount of inhaled laninamivir octanoate hydrate dry powder in pediatric patients with influenza

【日本語訳】 インフルエンザ小児患者におけるラニナミビルオクタン酸エステル吸入剤の残量率に対する吸入回数および患者因子の影響の検討

【アブストラクト】
【背景】吸入用抗インフルエンザ薬であるラニナミビルオクタン酸エステルのドライパウダーインヘラー(ラニナミビルDPI)は、最大吸気流速(PIF)が低い小児患者では有効成分を十分に吸入できないことが報告されている。本研究では、小児患者を対象に、残量率に対する吸入回数及び患者因子の影響を及ぼす因子について前向きに調査した。
【方法】2016年1月から3月に津市夜間こども応急クリニックにおいて、ラニナミビルDPI(イナビル®吸入粉末剤20 mg、第一三共(株))が処方された患者64名を対象とした。対象患者は薬剤師による吸入指導の後、4回吸入を繰り返し行なった。吸入前後でラニナミビルDPIの重量測定により薬剤残量率を算出し、残量率が > 20%の場合を吸入不十分とした。
【結果】2回繰り返し吸入後の吸入率が不十分であった患者は45%であり、吸入回数が増加するにつれて減少し、4回吸入後は23%に達した。1から4回吸入後の全てにおいて吸入不十分例はPIFが有意に低かった。ROC解析により吸入不十分例のPIFのカットオフ値を算出したところ、それぞれ150、130、110、110 L/minであった。
【結論】2回の吸入の場合、PIFが低い小児患者では有効成分を十分吸入ができていない場合がある。PIFが低い小児患者ではラニナミビルDPIを3回または4回繰り返し吸入する必要がある。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29152321

 

【Q】在宅医療で使用するPCA型ディスポーサブル注入ポンプの材料価格は?(保険適用)

【A】保険算定する場合、¥4,450 円である。以下参照。

機能区分 : 007携帯型ディスポーサブル注入ポンプ (PCA型)   償還価格 ¥4,450 円

保険適応開始年月日 : 平成29年6月1日

ベゼルフューザーPCAセット (オーベクス株式会社)

楽々フューザー (スミスメディカル)

(参考 : 厚生労働省 保医発0531第1号14ページ https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_hoken/iryokiki/documents/2906011e.pdf

 

(補足)

携帯型ディスポーサブル注入ポンプは (1) 化学療法用 (2) 標準型 (3) PCA型 に分類されている。それぞれによって、償還価格が異なる。

【Q】サノレックス錠の投与日数制限は?

【A】投薬期間は1回14日間を限度とされている。

適応は「あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助」であり、向精神薬・習慣性医薬品に指定されている。

(参考 : サノレックス錠 添付文書 第12版)

http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/671423_1190008F1020_3_02.pdf

 

【Q】アセトアミノフェン原末 (コカール、カロナール) 入手困難に対する対応は?

【A】2017年10月中旬よりカロナール細粒やコカールDSが品薄状態となるため、アセトアミノフェン錠 (カロナール錠やコカール錠) を粉砕し、処方に対応していく必要がある。

また、アセトアミノフェンは強い苦味があるため (https://sagasudi.com/?s=カロナール+粉砕)、小児などには服薬補助ゼリー、牛乳、ヨーグルトなどに混ぜ飲ませる方法を検討する必要がある。

以下に方法を参考にする。

 

アセトアミノフェン40%の調整方法 (コカールDS40%)

例1.〔カロナール錠200mg × 200錠〕+ 乳糖を加えて全量を100gにする。

例2. 〔カロナール錠300mg × 200錠〕+ 乳糖を加えて全量を150gにする。

 

アセトアミノフェン20%の調整方法 (カロナール細粒20%)

例1.〔カロナール錠200mg × 100錠〕+ 乳糖を加えて全量を100gにする。

例2.〔カロナール錠300mg × 100錠〕+ 乳糖を加えて全量を150gにする。

 

アセトアミノフェン50%の調整方法 (カロナール細粒50%)

例1.〔カロナール錠200mg × 300錠〕+ 乳糖を加えて全量を120gにする。

例2.〔カロナール錠300mg × 200錠〕+ 乳糖を加えて全量を120gにする。

※各医療担当者の裁量と判断になります。

【Q】ホスリボン配合顆粒は1包化 (分包) 可能か?

【A】可能である。しかし、以下の理由より、ホスリボン配合顆粒は1包化 後はチャック付きポリ袋などで保管することが望ましいと考えられる。

苛酷試験

〔条件〕25℃、75%RH、暗所、褐色ガラス瓶 / 開放、保存期間1、2、4週間

〔結果〕NaH2PO4・H2O 水分変化が認められた。

Na2HPO4 乾燥減量値に変化が認められた。

 

長期保存試験

〔条件〕25℃、60%RH、暗所、2重にしたポリエリレン袋、保存期間3、6、9、12、18、24、36ヶ月

〔結果〕NaH2PO4・H2O  36ヶ月間安定

Na2HPO4  36ヶ月間安定

(参考 : 医薬品インタビューフォーム 第3版)

【Q】ロヒプノール錠は粉砕可能か?

【A】以下の情報より粉砕可能であると考えられる。ただし粉砕に関しては各医療担当者の裁量と判断になります。

条件1〔温度40℃、湿度75%RH、遮光下〕の条件で3ヶ月後の含量は95.2% (セロファン分包)、96.0%(グラシン紙分包)

条件2〔キセノンランプ60時間照射、シャーレ開放〕で含量は95%

※キセノンランプ60時間照は調剤室とほぼ同じ明るさの光である照度1000lxの光を1日10時間照射した場合の約120日に相当する。

(参考 : 製薬会社 サイレース錠1mg粉砕後の安定性)

 

【Q】サイレース錠は粉砕可能か?

【A】以下の情報より粉砕可能であると考えられる。ただし粉砕に関しては各医療担当者の裁量と判断になります。

2015年度7月より飲料などに入れた際、色調が変化するように青色の添加物が添加された。

条件1〔温度25℃、湿度75%RH、遮光〕の条件で、3ヶ月で類縁物質の変化は0.1%、含量は95.5%

条件2〔〔キセノンランプ60時間照射〕の条件で、類縁物質0.3%、含量95%

※キセノンランプ60時間照は調剤室とほぼ同じ明るさの光である照度1000lxの光を1日10時間照射した場合の約120日に相当する。

(参考 : 製薬会社 サイレース錠1mg粉砕後の安定性)