【A】以下のデータより、粉砕可能であると考えられる。しかし腸溶性が失われるため、胃腸障害に対する対策が必要である。粉砕後、30日間は安定と考えられる。
アスピリン素錠650mg VS 腸溶錠650mgを空腹時単回投与。
- 血小板シクロオキシゲナーゼ活性は95%以上阻害され、素錠と腸溶錠の活性阻害率は同等である。
- 素錠は投与後45分で活性阻害がMAX、腸溶錠は投与後10時間で活性阻害がMAX
- 腸溶錠の胃粘膜の損傷は素錠に比べて有意に少ない。
粉砕後の安定性
25℃、75%RH、1000ルクス/hr 下にグラシン紙+薬袋で保存後、30日間安定。(水分の増加やサリチル酸のわずかな増加が認められたが規格範囲内であった。外観及びアスピリン含量は変化なく安定であった)
(バイアスピリン錠100mg 医薬品インタビューフォーム)
【A】ユリーフ錠は原薬の苦味と光安定性を考慮してフィルムコート錠となっている。粉砕は遮光かつ25℃の保存で3ヶ月可能と考えられる。粉砕後の苦味にも注意が必要である。以下を参考とした。
『苛酷試験 (光) 25℃、 湿度 = 成り行き、D65ランプ4,000lx、シャーレ開放、312時間 (約13日) 』の条件で外観の黄変、類縁物質及び水分量の増加、含量低下が認められた。
『苛酷試験 (温度) 25℃、湿度 = 90%RH、遮光、シャーレ開放、3ヶ月 』の条件で変化なし。
(ユリーフ錠 医薬品インタビューフォーム 第9版 参考)
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/urief_tab_4mg/pdf/if_ur_1608_09.pdf
※粉砕の可否については各施設の医療担当者の裁量と判断になります。
【A】添付文書に以下の記載があることから粉砕は不可と考えられる。
カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用させること。
本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと(「禁忌」、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」及び「小児等への投与」の項参照)。
(アボルブカプセル0.5mg 添付文書 第9版) http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340278_2499011M1027_1_11.pdf
【A】粉砕可能であり、1ヶ月間は安定と考えられる。1ヶ月以降の保存に関するデータはなし。
粉砕後、25℃、75%RH、白色蛍光灯の条件下、1ヶ月間安定 (外観・含量の変化なし)
主薬が光に不安定なため、遮光のフィルムコーティング錠としている。
(参考 : 錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック 第7版)
【A】以下の理由から粉砕可能であると考えられる。フィルムコーティング錠であり、苦味を抑えているため、粉砕後は苦味が出ると考えられる。
粉砕後の安定性に関しても検討されており、3か月後まで安定性に問題ない。
※粉砕の可否については各施設の医療担当者の裁量と判断になります。
■トラマドール塩酸塩
25 ℃ /60%RH及び30 ℃ /70%RHの条件下で60ヵ月、又は40 ℃ /75%RHの条件下で12ヵ月保存した結果、トラマドール塩酸塩の性状に変化を認めず、融点及び水分の物理 学的特性においても著しい変化を認めなかった。本品は非常に安定であり、いかなる分 解物の生成も認めなかった。
■アセトアミノフェン
アセトアミノフェンの化学的及び物理学的試験を含む各試験項目について測定を行い、5 年間の安定性を評価した。その結果、アセトアミノフェンは非常に安定であった。
トラムセット配合錠 医薬品インタビューフォーム第5版 引用
http://www.mochida.co.jp/dis/interview/trc_n6.pdf
【A】粉砕可能である。ただし、抗悪性腫瘍剤の院内取り扱い指針において危険度 I に分類されており、注意が必要である。
粉砕しても湿度・光に対して安定であった。小型粉砕器サンプルミルで1分間粉砕し、グラシン紙にて分包した結果が以下である。
条件1 : 25℃/ 75%RH 暗所 (30日間) 外観、含量、残存率はいずれも安定。
条件2 : 1000lx (30日間) 外観、含量、残存率はいずれも安定。
(参考 : 抗悪性腫瘍剤の院内取扱い指針 第3版)
http://www.jiho.co.jp/Default.aspx?TabId=272&pdid=45925
(ヒスロンH錠200mg インタビューフォーム第5版)
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/230124_2478002F3056_3_003_1F
【A】粉砕可能であると考えられる。以下、粉砕後の安定性の詳細を記載する。
湿度 : 保存条件25℃ / 75%RH、シャーレ開放 3ヵ月 性状変化なし、類縁物質の増加なし、含量低下なし
光 : 30万lx・hr、25℃/60%RH、シャーレ開放 性状変化なし、類縁物質の増加なし、含量低下なし
(参考 : 錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック 第7版)
【A】粉砕可能と考えられる。ただし、以下の理由から40℃以上の高温・高湿度の条件で注意が必要である。
- 粉砕後 25℃±2℃ RH60±5% にて暗所・シャーレ解放の条件で3ヶ月経過後も性状、質量、含量で変化なし。
- 粉砕後 40℃±2℃ RH75±5% にて暗所・シャーレ解放の条件で1ヶ月経過後も性状、質量、含量で変化なし。ただし、2.7%の質量増加した。吸湿によるものと考えられるが、規格内の変動であった。
(参考 : ファイザー株式会社 製品情報センター 問い合わせより)
【A】粉砕可能と考えられる。
粉砕後、温度25℃ 湿度75% の条件下で100日後まで外観・含量・溶出性に問題なし。
※高温で類縁物質の増加が認められた
※ネシーナ (アログリプチン安息香酸塩)に苦味があるため、苦味が増加する可能性がある
※粉砕での使用は適用外の使用となるため、メーカーは推奨していない
(参考 : 武田薬品工業株式会社 薬相談室への問い合わせより)