【A】平成31年4月1日に施行を予定し、平成36年3月31日までは経過措置期間となる。この間に今後はQ&Aに示され、新旧が混在する。大きくは以下の5点が変更となる

  • 原則禁忌の廃止
  • 慎重投与の廃止
  • 高齢者への投与、妊婦、産婦、授乳婦への投与、小児などへの投与の廃止
  • 特定の患者集団への投与の新設
  • 項目の通し番号の設定

• 原則禁忌の廃止
原則禁忌の部分は「禁忌」、新設する「特定の背景を有する患者に関する注意」の「合併症・既往歴等のある患者」の項等へ移行される。

これまでにHMG-CoA還元酵素阻害薬とフィブラート系薬の腎機能の臨床検査値に異常が認められる患者に対して「原則禁忌」から「重要な基本的注意」に改定されたことがある。

• 慎重投与の廃止
主には「特定の背景を有する患者に関する注意」へ移行される。他には「効能及び効果に関連する注意」、「用法及び用量に関連する注意」、「相互作用」など。

• 高齢者への投与、妊婦、産婦、授乳婦への投与、小児などへの投与の廃止
「生殖能を有する者」、「妊婦」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」へ移行される。

• 特定の患者集団への投与の新設
「合併症・既往歴等のある患者」、「腎機能障害患者」、「肝機能障害患者」、「生殖能を有する者」、「妊婦」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」の項を新設

•項目の通し番号の設定
該当する記載事項がない場合は欠番となる。繰り上げはしない。

(1)「原則禁忌」の廃止
平成20-22年に実施した厚生労働科学研究での全国の医師及び薬剤師に対する添付文書に関する大規模調査で「原則禁忌」の理解度を調査したところ,医師,薬剤師とも約半数が「原則禁忌は禁忌と同等」 と回答する一方,約半数が「原則禁忌は慎重投与・併用注意と同等」と答えるなど,同項の位置づけの 理解が人によりばらつきがある現状が明らかとなりました。このため「原則禁忌」は廃止し,今後は「禁忌」又は新設する「特定の背景を有する患者に関する注意」の「合併症・既往歴等のある患者」の項等(4)を参照)へ記載することとしました。

(2)「慎重投与」の廃止
禁忌を除く特定の背景を有する患者への注意は新設する「特定の背景を有する患者に関する注意」の 項に集約することとしたので、「慎重投与」は廃止します。今後は、「特定の背景を有する患者に関する 注意」の項の下の「合併症・既往歴等のある患者」等の項に記載することとなります。ただし、内容によっては「効能及び効果に関連する注意」、「用法及び用量に関連する注意」、「相互作用」等へ記載する 場合もあります。

(3)「高齢者への投与」、「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」、「小児等への投与」の廃止
禁忌を除く特定の背景を有する患者への注意は新設する「特定の背景を有する患者に関する注意」の 項に集約することとしたので、「高齢者への投与」、「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」、「小児等への投与」 は廃止します。今後は、新設する「特定の背景を有する患者に関する注意」の項の下の適切な項(「生 殖能を有する者」、「妊婦」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」の項) へ記載します。

(4)「特定の患者集団への投与」の新設
禁忌を除く特定の背景を有する患者への注意を集約するため、「特定の患者集団への投与」を新設し ます。同項の下には「合併症・既往歴等のある患者」、「腎機能障害患者」,「肝機能障害患者」、「生殖能 を有する者」、「妊婦」、「授乳婦」、「小児等」、「高齢者」の項を新設します 。

(5) 項目の通し番号の設定
「警告」以降の全ての項目に固定番号を「1.1」等の形で付与します。関連する項目がある場合は、相 互に参照先として項目番号を記載します。また、改正記載要領で記載が定められている事項に該当がない場合はその項目を欠番(項目番号及び項目名を省略)といたします。

(抜粋 : 厚労省 医薬品・医療機器等安全性情報)