【コメント】薬局薬剤師は医薬品の適正使用の確認と安全な薬物療法の確保することが義務となっている。これまで患者情報は患者からの情報、つまり主観的な情報しか得ることができなかったが、院外処方箋に検査値が記載されることにより客観的な情報も得ることができるようになった。2011年に福井大学病院が院外処方箋検査値表示を行ってから、2017年現在、多くの大学病院をはじめ地方病院が院外処方箋検査値表示を導入し、急速にこの流れは広がっている。
病院によって表示される検査値は若干違うのだが、主要な項目はどの病院にも網羅されている。
院内処方箋への検査値記載における薬局薬剤師のメリットはいくつかあげられる。
1.腎機能評価を基にした医薬品適正量の確認・処方提案
2.抗悪性腫瘍薬などハイリスク薬の副作用確認
3.疾患名予測による服薬指導の充実化
4.食生活など患者からの質問に対する的確な回答などである。
患者とのコミュニケーションを取る機会が多くなり、かかりつけ薬剤師・薬局となる患者が増加する。さらに生活習慣などの相談数が増え健康サポート薬局としての機能が充実化される。医師に疑義照会しやすくなる。薬局にとってのメリットも大きく、今後、国が目指していく薬局の方向性とマッチしている。
この先、いつになるかわからないが患者・国民を中心に保険医療情報をどこでも活用できるオープンな情報基盤 (PeoPLe)が運用され、薬局においても検査値のみならず、疾患名や既往歴、経過など多くの情報を得ることができるようになるだろう。それに伴い、薬局薬剤師は検査値のみならず疾患や治療プロトコールなど幅広い知識を習得する必要がある。
http://www.yakuji.co.jp/entry45517.html
【福井大学 院外処方せんへの検査値記載で問われる保険薬局の対応】
https://ds-pharma.jp/gakujutsu/contents/epharmacy/special/26.html
【院外処方箋への検査値印字で保険薬局との協働を】
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03146_01
【処方箋 検査値載せます 薬剤師のチェック機能 強化 患者の状態 確認の手掛かりに】
http://style.nikkei.com/article/DGXKZO90325440Y5A800C1TZT001?channel=DF140920160921&style=1
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