【Q】エンレスト錠の処方日数の投与制限は?

【A】エンレスト錠は新医薬品の処方日数制限により2021年8月末日までは1回14日分が限度である。2021年9月1日から長期投与可能である。

薬価収載は2020年8月26日である。

本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号 (平成20年3月19日付) に基づき、2021年8月末日までは、投薬期間は1回14日分を限度とされています。(エンレスト錠 添付文書)

【NEWS】2020年12月 発売予定の後発品 (ジェネリック)

【内容】2020年12月に追補収載予定の後発品 (ジェネリック)の一覧を以下に記載する。

2020年12月 後発品 発売予定一覧 (内服薬・外用のみ)  2020年8月26日更新

【内服薬】

  • プレガバリンOD錠25mg、75mg、150mg 【リリカOD錠】ファイザー からAG発売(適応症は同じ)
  • リバスチグミンテープ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg【イクセロン/リバスタッチテープ】(適応症は同じ)
  • ロレアス配合錠【コンプラビン配合錠】(適応症は同じ)

【NEWS】エンレスト錠の特徴まとめ

特徴まとめ(かなり簡潔に記載)

  1. エンレストは「ARBであるバルサルタン」と「ナトリウム利尿ペプチド作用に関与するサクビトリル」が含有されている
  2. ARBで血圧を下げ、ナトリウム利尿ペプチド作用により利尿作用を促進させ、慢性心不全の進行をおさえるという薬剤
  3.  ナトリウム利尿ペプチド作用のある薬剤として「ハンプ注射」があげられる
  4.  心不全にはエナラプリルが推奨されていたが、大規模臨床試験でエンレストはエナラプリルの効果を上回っている

成分

  • サクビトリルとバルサルタンナトリウムを水和して結合された複合体
  • サクビトリルとバルサルタンナトリウムはモル比 1:1 
  • サクビトリルはプロドラッグであり、吸収後3〜4時間で活性体に変換される

薬効・使用に関する注意点

  • プリライシン(NEP)阻害作用とアンジオテンシンIIタイプ 1 (AT1)受容体拮抗作用をもつ
  • 適応は慢性心不全のみ
  • 「慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」つまり、エンレストから治療開始はできない
  • ARBやACEから切り替えて使用開始することが必要
  • 初回は「1回50mg1日2回 (100mg/日)」から開始。2〜4週間間隔で、増量し、MAX400mg/日まで増量可能。
  • エンレスト中にはバルサルタンに換算すると約1/2量のバルサルタンが含有。(エンレスト100mgに中にバルサルタン51.4mg)
  • ACEとは全て禁忌。理由は血管浮腫が生じるためである。エンレスト錠を投与開始36時間前にACEは中止すること。
  • エンレストはACEとではなく、ARBと結合された理由は、ACEだと血管浮腫の副作用が強くでるためと考えられる

副作用

  • バルサルタンが含有されており、過度な血圧低下に注意が必要である。
  • バルサルタンナトリウムによりK上昇がみられる可能性あり
  • サクビトリルによるネプリライシンの阻害→ナトリウム利尿ペプチド作用亢進により、Na上昇がみられる可能性がある

製剤の特徴

  • 100mg錠の規格のみ割線あり
  • 無包装状態の安定性データより一包化は可能と考えられる。
  • フィルムコーティング錠

 

【NEWS】2020年8月メルカゾール錠2.5mg 製造販売承認取得

メルカゾール錠2.5mgが製造販売承認が取得されました。今後、発売される予定です。これまでは、用量調節のためメルカゾール錠5mgを半割するケースが多くありました。メルカゾール錠5mgは糖衣錠であるため、半割は非常に難易度が高く、2.5mg製剤の発売が渇望されていました。

要点まとめ

・メルカゾール錠2.5mgの大きさは【直径 約7.2mm・厚さ 約3.2mm】

・メルカゾール錠5mgの大きさは【直径 約8.3mm→直径 約7.2mm ・厚さ 約4.6mm → 約 3.2mm】  に変更となり、メルカゾール錠2.5mgと同じ大きさになる

・メルカゾール錠2.5mgは淡赤色のフィルムコーティング錠

・メルカゾール錠2.5mgとの識別性向上のため、メルカゾール錠5mgは白色から淡黄色に変更

・メルカゾール錠2.5mgの包装は100錠 (10錠×10)のみ

・メルカゾール錠5mgは糖衣錠からフィルムコーティング錠に変更

【Q】トリノシン腸溶錠の保存方法が「なるべく冷所」の理由は?

【A】トリノシン腸溶錠の添付文書上の貯法は【なるべく冷所に保存すること。】と曖昧な表現になっています。曖昧な表現の理由は、以下の通り、室温においても1年半後には含量低下は認められず、また、2年後も5%程度の含量低下程度にとどまることから、このような記載となっていると考えられます。なお、使用期限は製造後2年間となっています。

長期保存試験において、【室温保存】の場合、2年後に含量が94.5%程度まで低下した。同様の条件で【15℃】の保存であれば、2年後も含量の低下は認められなかった。また、【室温保存】の場合、1年6ヶ月で含量の低下は認められなかった。

【Q】デエビゴ錠の処方日数の投与制限は?

【A】デエビゴ錠は新医薬品の処方日数制限により2021年4月末日までは1回14日分が限度である。2021年5月1日から長期投与可能である。

薬価収載は2020年4月である。販売開始は2020年7月である。

本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成 18年3月6日付)に基づき、2021年4月末日までは、投薬期間 は1回14日分を限度とされています。(デエビゴ錠 添付文書)

なお、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」には該当しないため2021年5月1日からは30日分以上の投与日数も可能である。

ベルソムラ(スボレキサント)、ルネスタ (エスゾピクロン)、ロゼレム (ラメルテオン) 、リスミー (リルマザホン) も同様に投与日数制限はない。

【Q】他剤からハルロピテープの用量換算は?変更は?

商品名成分名 
ハルロピテープロピニロール(貼付剤)8mg/日16mg/日24mg/日32mg/日
レキップ錠ロピニロール(速放錠)〜2.25mg/日3〜4.5mg/日6mg/日7.5〜9mg/日
レキップ CR錠ロピニロール(徐放錠)2mg/日4mg/日6mg/日8mg/日
ビ・シフロール錠プラミペキソール(速放錠)〜0.5mg/日1.0mg/日1.5mg/日2.0mg/日
ミラペックスLA錠プラミペキソール(徐放錠)0.375mg/日0.75mg/日1.5mg/日2.25mg/日
カバサール錠カベルゴリン〜1.0/日1.5mg/日2〜2.5mg/日3mg/日
ニュープロパッチロチゴチン4.5mg/日9mg/日13.5mg/日18mg/日

規格は8mg・16mg・24mg・32mg・40mgの5種類

・レキップ錠(ロピニロール)と同成分の貼付剤

【Q】ソリクア配合注ソロスターの特徴は? 簡潔に

ソリクア配合注ソロスター

  • 「ランタス注ソロスター」+「リキスミア皮下注」の合剤 (持効型インスリン+GLP-1受容体作動)
  • デバイスは「ランタス注ソロスター」と同じであるため、「ランタス」→「ソリクア」に切り替え時にはデバイス説明の簡略化が可能
  • 2成分の混合であるが、懸濁液ではないため、注射前に混和する必要はない。
  • 大まかなイメージ→【「リキスミア皮下注」の食後高血糖改善】+【ランタス注の空腹時血糖改善】の両方を期待した製剤
  • インスリン グラルギン(ランタス注ソロスター)+リキシセナチド(リキスミア皮下注)が1:1で含有。
    【「 ソリクア」1ドーズ=「 ランタス」1単位+「 リキスミア」1μg】
    ※海外では3:1や2:1で配合されている
    リキスミア皮下注は10μg、15μg、20μgしか設定できない
  • 1ドーズごとに調節可能
  • Max 20ドーズ‥ランタス投与量の分布は20単位未満が94.2%であったため、このような設定となった。
  • 1日1回 朝食前に皮下注射

【Q】レルミナ錠の服用が食前の理由は?

【A】レルミナ錠の食後投与は、空腹時投与と比較して、Cmax45.43%、AUC52.56%と低下するため、食前投与となっている。また、食前と空腹時投与はCmax、AUCに大きな違いはみられない。

用法
通常、成人にはレルゴリクスとして40mgを1日1回食前に経口投与する。なお、初回投与は月経周期1〜5日目に行う。(添付文書)

食事の影響
閉経前健康成人女性(12例)に朝食絶食下、朝食前又は朝食後に本剤40mgを単回経口投与した時、朝食後投与では朝食絶食下投与と比較して、Cmax及びAUC120の幾何平均値の比はそれぞれ45.43%及び52.56%であり、顕著に低かった。一方、朝食前投与では朝食絶食下投与と比較して、Cmax及びAUC120の幾何平均値の比はそれぞれ113.06%及び84.68%であり、大きな違いはみられなかった。(添付文書)

閉経前健康成人女性に朝食絶食下、又は朝食後に本剤40mgを単回経口投与した時、朝食後投与では朝食絶食下投与と比較して、Cmax及びAUC120の幾何平均値の比はそれぞれ45.43%及び52.56%と低くなっている。一方、朝食前投与は朝食絶食下投与と大きな違いはみられなかったことから、本剤は「食前に服用」するよう患者に指導すること。(インタビューフォーム )

【Q】デエビゴ錠の特徴は?簡潔なまとめ 

  • 2020年7月6日発売 予定
  • 2.5mg / 5mg / 10mg の3規格
  • 通常は1日1回5mgを就寝直前投与。最大10mgまで増量可能。
  • クラリスなどのCYP3A4を強力に阻害する薬剤を服薬する時のみ2.5mgに減量する必要がある。(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)
  • ヒトオレキシン1 (OX1) 及びオレキシン2 (OX2) 受容体を阻害することで覚醒から睡眠状態へ移行させる。ベルソムラ錠も同様の作用機序。
  • 1包化可能  
     (【無包装40°C ・75%RH】の保存状態で、3ヶ月、外観・類縁物質・溶出性・含量に変化なし)
  • 食後投与で効果発現が遅れる。
  • 副作用 : 傾眠 10.7%(95例/884例)

https://sagasudi.com/【q】ベルソムラ錠は1包化可能か?/

【Q】ベルソムラ錠の粉砕の可否は?